中小企業の収益向上戦略 押さえておくべき3つのポイント

公開日:2025年5月22日

「収益を拡大したいけれど、大規模なプロモーションの余裕がない」。そんなお悩みはありませんか。本記事では、収益向上のポイントを解説します。

収益向上は中小企業の大きな悩み

東京商工リサーチの調査「倒産の状況(令和7年1月分)」によると、倒産の原因として最も多いのは販売不振です。2025年1月の全国の倒産件数840の内、610件(72.61%)が販売不振によるものであり、収益向上への取り組みは、中小企業が避けては通れない課題です。

原因別倒産状況 [2024年5月]放漫経営 45件、過少資本 17件、連鎖倒産 48件、既往のしわよせ 104件、信用性の低下 6件、販売不振 753件、売掛金回収難 1件、在庫状況悪化 1件、設備投資過大 3件、その他 31件 [2024年6月]放漫経営 38件、過少資本 17件、連鎖倒産 46件、既往のしわよせ 82件、信用性の低下 1件、販売不振 619件、売掛金回収難 3件、在庫状況悪化 0件、設備投資過大 2件、その他 12件 [2024年7月]放漫経営 38件、過少資本 14件、連鎖倒産 63件、既往のしわよせ 103件、信用性の低下 8件、販売不振 698件、売掛金回収難 6件、在庫状況悪化 2件、設備投資過大 3件、その他 18件 [2024年8月]放漫経営 29件、過少資本 9件、連鎖倒産 38件、既往のしわよせ 88件、信用性の低下 2件、販売不振 543件、売掛金回収難 1件、在庫状況悪化 0件、設備投資過大 2件、その他 11件 [2024年9月]放漫経営 40件、過少資本 12件、連鎖倒産 40件、既往のしわよせ 100件、信用性の低下 4件、販売不振 596件、売掛金回収難 1件、在庫状況悪化 1件、設備投資過大 0件、その他 13件 [2024年10月]放漫経営 42件、過少資本 16件、連鎖倒産 43件、既往のしわよせ 105件、信用性の低下 7件、販売不振 659件、売掛金回収難 3件、在庫状況悪化 1件、設備投資過大 4件、その他 29件 [2024年11月]放漫経営 40件、過少資本 13件、連鎖倒産 36件、既往のしわよせ 105件、信用性の低下 4件、販売不振 622件、売掛金回収難 1件、在庫状況悪化 0件、設備投資過大 2件、その他 18件 [2024年12月]放漫経営 38件、過少資本 12件、連鎖倒産 47件、既往のしわよせ 89件、信用性の低下 8件、販売不振 621件、売掛金回収難 4件、在庫状況悪化 0件、設備投資過大 5件、その他 18件 [2025年1月]放漫経営 36件、過少資本 17件、連鎖倒産 39件、既往のしわよせ 98件、信用性の低下 9件、販売不振 610件、売掛金回収難 0件、在庫状況悪化 0件、設備投資過大 4件、その他 27件 資料:東京商工リサーチ(http://www.tsr-net.co.jp/)調べ
株式会社東京商工リサーチ「中小企業庁 倒産の状況(令和7年1月分)」より引用

収益向上のポイント

では収益の向上に向けて、何をすべきでしょうか。押さえておくべきポイントをご紹介します。

1.収益性の高い分野の明確化とコスト管理の徹底

まずは、自社のどの製品やサービスが利益を多く生んでいるかを明確にしましょう。売上が増加したとしても、コストが増加すれば事業の継続は困難になります。収益性の高い分野に、積極的にリソースを投入することで、効率的な運営が可能となります。
また、収益の向上にはコスト管理の徹底も重要です。各プロジェクトや業務にかかるコストを可視化し、どこに無駄が発生しているかを見極めます。仕入れ先の見直しや業務効率化によって、人員増強や新サービス開発をせずとも収益を向上できる可能性があります。

2.自社の強みを踏まえた適切な価格設定

2つ目に、適切な価格設定です。意外と見落とされがちですが、コストだけでなく自社の強みや独自性といった付加価値を価格に反映することが利益向上のポイントです。
特に昨今は原材料費が高騰し、価格の見直しが必要なケースも増えています。自社の商品・サービスの価値やコストに見合った価格を設定できているか、定期的に見直しましょう。価格の見直しは利益率の改善、さらには収益性の向上に直結します。

3.必要な人材の把握と適切な人材戦略

3つ目に、人材戦略の策定です。どの分野で人材が不足しているかを正確に把握し、必要なスキルを持つ人材を適切に採用、配置することが重要です。

例えば、サービス業で顧客からのクレーム増加が課題となっている場合を考えてみます。まずはクレームの原因を明確にしましょう。原因が接客スタッフの不足による対応の遅れである場合は、接客スタッフを採用することで解決できると考えられます。一方で、原因がスタッフオペレーションにあるのであれば、業務改善や効率化の経験をもつ専門人材の配置が効果的です。

クレームが減り顧客満足度が向上すれば、リピート率や顧客単価が向上し、収益も向上するでしょう。

自社の状況に合わせたアプローチを

収益向上のためには、まずは自社の収益性の高い商品やサービスの明確化が不可欠です。そのうえで、自社の状況に合わせて優先すべき課題や施策を判断しましょう。投資すべき領域やその規模を慎重に検討し、回収までの期間を具体的にした収益向上戦略で企業の持続的な成長を実現してください。

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