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大切な“おかね”の話をしよう!

はまペン
生きていくうえでは何をするにも“おかね”はかかる。でも、“おかね”自体に、価値はないよね。どんなふうに使うかで、自分や誰かを元気にする。大切な人のためにも、“おかね”のこと、もっと考えて、毎日幸せに暮らせるといいな。

マークは、おかねについて、はじめに学んでほしい基礎的な教材を示しています。

CONTENTS

  • おかねって何なのだ? エン博士①おかねって何なのだ? エン博士①
  • おかねをステキに使うのだ エン博士②おかねをステキに使うのだ エン博士②
  • おかねをステキに稼ぐのだ エン博士③おかねをステキに稼ぐのだ エン博士③
  • 資産形成って何なのだ? エン博士④資産形成って何なのだ? エン博士④
  • おこづかいちょうをつけてみよう!おこづかいちょうをつけてみよう!
  • はじめてのSDGsはじめてのSDGs

おかねって何なのだ?

  • おかねって何なのだ?

「“おかね”ってなに?」そんなシンプルな疑問に答えてくれる、ありそうでなかったお話。エン博士がやさしくナビゲートします!
【対象:小学校高学年以上大人まで】

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おかねとは?

はまペン

今、みんなが生きている現代は経済社会です。
食べるにも、飲むにも、洋服を買うにも、そして、勉強するのにも、おかねがかかりますよね。そして、その使ったおかねは、モノを買ったお店や、乗った電車の収入・売り上げになったり、その売り上げがお店で働いている人や運転手さんのお給料になっていくわけです。このように、今の経済社会とは、おかねという血液がぐるぐる回っている身体のようなものです。

では、そもそもおかねって何でしょうか?
紙幣をよくみると日本銀行券と書いてます。その名のとおり、日本銀行が発行する銀行券なのですが、おかねは信頼で成り立っているもので、世界中の人が1万円と認識してくれるから1万円となるわけです。
しかし、第一次世界大戦後のドイツや近年でもジンバブエなどで起こっているハイパーインフレ。これは、パン1個が3,990億マルクになったり、ある日突然、1兆ジンバブエドルを1ジンバブエドルとしなくてはならなくなったり、おかねの価値がほぼなくなり、国民は暖炉でマキ代わりにおかねを燃やすまでになっていました。
このように、信頼がなくなると、ただの紙っきれになってしまうこともあります。

3つの便利な機能

一方で、おかねは、便利な機能を3つ持っています!

お金

(1) 価値交換機能
たとえば物々交換の世の中では、欲しいものがぴったり合う人を探がし出さなきゃいけなくて、「時間」や「手間」がかかります。しかし、おかねがあれば、モノやサービスを欲しい時に交換することができます。
(2) 価値尺度機能
たとえば物々交換で、牛乳とCDを交換することになっても、双方、いくつずつ出して交換しようと決めるのが大変ですよね。そこで、おかねは牛乳200円とCD2,000円など、違ったモノの価値を測る“ものさし”となって、取引も簡単にできるようになります。
(3) 価値保存機能
たとえば、おさしみや果物のように3日で腐るようなものは保存するのが難しいですが、おかねで持っておくと、同一の価値を貯めておけます。すなわち、1,000円のお刺身を食べたければ、1,000円を貯めておけば、いつでも、同等の価値の新鮮なお刺身を食べることができるのです。

おかねが無い世界を想像してみてください。よく考えると、おかねってけっこう便利だと思いませんか?
このように、おかねは信頼で成り立っていて、元をただせば紙っきれ。おかねは生きるため、何かをやるため、そして夢や目標の実現のために必要な、『人生に寄り添う便利なツール(道具)』ともいえますね。

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おかねとのつき合い方

はまペン

おかねとのつき合いは、「うまれる」「はたらく」「まなぶ」「結婚する」「いえを買う」「あそぶ」など、人生の身近な夢や目標を考えることから始まります。

家

人生をどう歩んでいくのか

人生をどう歩んでいくのか人生をどう歩んでいくのか

…このように、人生には、人それぞれの夢や目標がたくさんありますね。『せっかく生まれたからには、夢や目標をたくさん考えて、少しでも多く実現して、幸せになりたいですよね』。そのために、『それぞれの夢や目標に必要なおかねについても必ず一緒に考える』というプロセスをクセづけていきましょう。夢や目標のために、稼いだり、貯めたり、家計を見直したり、借りたり・・・。

おかねをステキに使うのだ

  • おかねをステキに使うのだ

みなさんは何のためにおかねを使いますか?エン博士と一緒にレベルアップ!「おかねをステキに使える」すてきな人を目指しましょう!
【対象:小学校高学年以上大人まで】

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おかねを使うこと

おかねとは、生きるため、夢や目標を果たすため、そして人生を豊かにするために必要となる便利な道具です。逆の見方をすれば、おかねがなければ生きられない、目的を果たせないのが、良くも悪くも現代の経済社会です。

今回はおかねを「使う」ことについて考えてみましょう。
こどもだと「使う」という機会は少ないですよね。なぜならまだ稼ぐことができないからです。でも「使い方」はこどもの頃から身につけると大人になってたいへん役に立ちますので、大人の事例も含めて「使う」についてお話していきたいと思います。

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おかねを「使う」とは

はまペン

「使う」とは、3つに分類できます。「消費」と「投資」そして「浪費」の3つです。「消費」とは、現在の満足のためにおかねを使うこと。たとえば、「今日のおやつに美味しいお菓子を買う」、「お友だちへのお誕生日プレゼントを買う」など。「投資」とは、将来の価値や満足を高めるためにおかねを使うこと。今のみんなには、まだ育ててくれる方が出してくれる使い方だけど、たとえば、「習い事」や「海外留学」など。将来の自分に役立つ本を買うというのも「投資」にあたるでしょう。

また、「消費」と「投資」は必ずどちらかひとつだけの意味があることではなく、楽しくて将来のためにもなるなら、「消費」と「投資」というふたつの側面を持つことにもなります。たとえば旅行。その瞬間が楽しいだけでなく、経験という投資にもなりますね。
一方で、小さい頃から気を付けなくてはいけないのが「浪費」です。「必要以上におかねを使ったり」、「無駄に使ったり」することです。この「必要以上」というのがポイントです。浪費のくせが付いてしまうと、大人になってから治すのにたいへん苦労するので、今のうちからきちんと「使える」ようになりましょう。

ニーズとウォンツ

はまペン

では「必要以上」ってどのくらいなのでしょうか?英語で「ニーズneeds」と「ウォンツwants」という言葉があります。つまり、モノを買うときに、これは、「必要なもの(ニーズ)なの?」、「欲しいもの(ウォンツ)なの?」と自問自答しながら、買い物をするといいでしょう。本当に必要なものなの?今月のおかねは大丈夫?我慢できるんじゃない?こうすることで、「浪費」を防ぐことができます。たとえば、欲しいウォンツの気持ちだけで、「お菓子を沢山買っておかねを使い果たし」、本当に必要なニーズであった「友だちに誕生日プレゼントを買えなくなってしまう」、ということは困りますよね。

消費税は社会貢献

はまペン

おかねを使うとどんなことが起きるでしょうか。
おかねを使った人は、前述のとおり、満足感や将来の安心感が得られます。
お店など使ってもらった側は、お店の売り上げになって、それが働く人へのお給料やお店を増やす設備投資など経済活動に使われます。さらに、買い物をすると消費税が発生し、消費税の9割は社会保障費となって社会貢献につながることになります。
1,000円の『買い物』で考えてみましょう。
買い物した場合、1,100円支払い、100円が消費税。1,000円はお店の売上となります。
すなわち100円の9割、90円が社会貢献となります。
消費税の使い道は、年金、医療、介護など高齢者の社会保障をはじめ、待機児童解消や教育の無償化といったこども・子育て支援や、介護職員の処遇改善などの財源となります。

使えば日本が元気になる

経済社会においては、経済がからだ、おかねは血液と言われ、ぐるぐるとからだを巡っていきます。血液が回らないとからだは元気じゃなくなりますよね。
各国の経済状態を表すGDP(国内総生産)の日本の半分以上を占めるのが個人消費です。みなさんがおかねを使うことで、日本社会を元気にすることも確かなのです。

すてきなおかねの使い方

はまペン

消費税より直接的な社会・世の中に役に立つおかねの使い方が、実はいろいろあります。ドネーション(寄付)、クラウドファンディング、ふるさと納税など。
今回は、その中で「エシカル消費」という使い方をご紹介します。エシカル(※)消費とは、地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のことです。私たち一人一人が、社会的な課題に気付き、日々のお買物を通して、その課題の解決のために、自分は何ができるのかを考えてみること、これが、エシカル消費の第一歩です。買い物をするときに自分視点だけでなく、環境や社会など他者への視点をプラスすることです。
※倫理的・道徳上など。

買い物に迷ったときは、サステナブル・ラベルを探してみるのもよいでしょう。持続可能な方法でつくられ、運ばれ、売られているかどうか、厳しい審査を受けた商品にマークが付いているので、たとえばチョコレート、たとえばTシャツなどで迷った場合、マークが付いてるのを選べば社会貢献にもつながるのです。
エシカル消費の種類にも、フェアトレード、オーガニック、地産地消、障がい者の支援に繋がる商品、応援消費、伝統工芸、動物福祉、寄付付き商品、リサイクル・アップサイクルなど幅広い形があります。必要なものを買うときに、(尺度として)社会に役立っているのかな?と、考えておかねを使うことを覚えていきましょう!

まとめ

はまペン

近年、行動経済学という心理学を使って人間の行動様式を分析しようという学問がノーベル経済学賞などを受賞しています。伝統的な経済学は、人間は合理的であるという前提に基づいているのに対し、行動経済学は、「人はそもそも、色々な心理・感情に左右され、選ぶ・決める・使うことが多々ある」というものです。
前述の浪費は、まさに、誘惑に負けたり、合理的に考えられない人間の非合理な部分が影響しているといえますね。おかねを使うことも、ある意味人間としての修行なのかもしれません。浪費せず、すてきに使える人を目指して、金銭管理も心も鍛えていきましょう。

おかねをステキに稼ぐのだ エン博士③

  • おかねをステキに稼ぐのだ

みなさんは何のためにおかねが必要ですか?何のために働きますか?エン博士と一緒に考えてみましょう!
【対象:小学校高学年以上大人まで】

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おかねは何のために必要で、どうやって手に入れるの?おかねは何のために必要で、どうやって手に入れるの?

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おかねは、夢や目標を叶えるため。そして毎日食べたり、暮らしたり、日々を生きるためにも必要になってきます。たとえば、大人になると、食費や交通費、通信費など1か月で平均約15万円※のおかねを使っています。
※総務省「家計調査年報2020年」によると、単身世帯の1か月の消費支出は15万506円。

では、毎日を生きていくために、確実におかねを手に入れる方法は何でしょうか?天から降ってくるわけではありませんよね。おかねを手に入れる方法にはいくつかあります。

たとえば「宝くじ」はどうでしょう?当たれば大きいこともありますが、ハズレることもあって、不確実になってしまいます。いわゆる「ギャンブル」も同じことですね。次に、「宝探し」!ロマンがありますが、これも不確実ですね。株を買ったり、おかねを運用するのも、元手が必要だったり、時には減ってしまうこともあります。一方で、売るものや財産をたくさん持っている人は、おかねには困らないかもしれませんが、そもそもたくさん持っている人自体、多くはいないでしょう。

こうして考えてみると、不確実な方法ばかりですが、ひとつだけ確実な方法があります!それが「働く」ことなのです。

では、さきほどの、たくさん財産を持っている人は、働く必要がないのでしょうか?そんなことはありません。なぜなら、「働く」ことはおかねを稼ぐためだけではないからです。

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働くって?

はまペン

「働く」ということは、辞書で調べると「仕事をする。労働をする。生計を維持するために一定の職につく」。つまり、世の中に対して、自分の頭・体・技能・時間などを使って、価値を提供するということです。価値を評価してくれるのは、「働いている会社や社長」、「自分の音楽やアイディアを買ってくれた人たち」、といった自分以外の他人になります。提供した価値に対する「評価」が、対価として給料や売上といった「おかね」になって自分に返ってくるのです。みなさんも、家のお手伝いをして、おかねをもらった経験があれば同じことになります。

それでは、みなさん、将来やってみたい仕事はありますか?人気職業をみてみましょう。

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なりたい職業ランキング

小学生・男子(581人)
1位会社員8.8%
2位YouTuber/動画投稿者8.4%
3位サッカー選手7.6%
4位ゲーム制作7.2%
5位野球選手6.4%
6位鉄道の運転士4.6%
7位警察官4.5%
8位公務員4.1%
9位料理人3.4%
10位ITエンジニア/プログラマー2.9%
10位教師/教員2.9%
小学生・女子(553人)
1位パティシエ14.1%
2位教師/教員7.1%
3位幼稚園の先生/保育士6.0%
4位会社員5.8%
5位漫画家4.5%
6位料理人/シェフ4.3%
6位看護師4.3%
8位芸能人/アイドル3.8%
9位公務員3.4%
9位医師3.4%
中学生・男子(471人)
1位会社員18.3%
2位ITエンジニア/プログラマー6.8%
3位公務員5.7%
3位YouTuber/動画投稿者5.7%
5位ゲーム制作4.9%
6位鉄道の運転士4.5%
7位サッカー選手4.2%
7位医師4.2%
9位教師/教員3.6%
10位野球選手2.3%
10位警察官2.3%
10位料理人/シェフ2.3%
10位eスポーツ選手2.3%
中学生・女子(449人)
1位会社員13.6%
2位公務員7.8%
3位看護師6.9%
4位パティシエ5.6%
5位教師/教員5.1%
6位幼稚園の先生/保育士3.8%
7位料理人/シェフ3.3%
7位医師3.3%
7位アナウンサー3.3%
10位ヘア・メークアップアーティスト2.9%
高校生・男子(487人)
1位会社員22.2%
2位ITエンジニア/プログラマー11.5%
3位公務員10.5%
4位ゲーム制作5.7%
5位教師/教員4.3%
6位サッカー選手3.7%
7位YouTuber/動画投稿者2.9%
8位鉄道の運転士2.3%
8位野球選手2.3%
10位医師2.1%
高校生・女子(459人)
1位会社員20.0%
2位公務員9.4%
3位看護師7.4%
4位教師/教員5.2%
5位幼稚園の先生/保育士4.6%
6位パティシエ4.4%
7位薬剤師2.6%
8位医師2.4%
8位ヘア・メークアップアーティスト2.4%
10位トリマー/ペットショップ店員2.0%

出所:第一生命保険(株) 第32回「大人になったらなりたいもの」調査(2020年)

こうしてみても、いろいろな仕事がありますね。世の中には何千、何万という仕事が存在しますが、たとえば働き方で、おおむね「雇われる」、「人を雇う」、「個人で仕事をする」の3つに分けられます。

たとえば、職業ランキングで上位の会社員や公務員は「雇われる」仕事になります。ITエンジニアを経験して会社を作ったり、パティシエとしてお店を自分で持つのは「人を雇う」仕事になります。また、漫画家やyou tuberは「個人で仕事をする」になる場合も多いです。

仕事を選ぶ基準とは?

それでは、どのように仕事を選んだらよいのでしょう。好きなことで?得意なことで?世の中を良くすることを?などさまざまな考え方がありますが、そもそも働くのは、毎日を生きていくために「確実におかねを稼ぐ」ことでしたよね。このためには、「収入」というものを考える必要があります。

たとえば先ほど人気だった会社員で考えてみましょう。実は同じ会社員でも、正社員か非正社員(契約・派遣・パート・アルバイトなど)かといった働き方の違いで、収入が大きく変わってきます。一体どれだけ変わるのでしょうか?

あくまで一定条件のもとでの目安ですが、人が一生で手にするおかねは、正社員・非正社員で大きく変わってきます。非正社員の場合、退職金が出ないケースがほとんどのため、収入の差が大きくなります。

一方、一生で出ていくおかねは、平均で2~3億円とも言われています。その中でも教育、住宅、老後という大きな出費は、人生の3大費用と呼ばれ、1億円以上のおかねが掛かってきます。

自分がどんな夢や目標を叶えたいか、どんな日々を送りたいかという人生のプランに対して、いくらおかねが必要なのかという「出ていくおかね」と、「働いて稼げるおかね」を、見比べることも大切です
おかねが無いから、本当は夢だった、本当はやりたかった○○を諦めるという人生は、できれば送りたくないですよね。

何のために働くのか

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それでは、おかねだけで仕事を選ぶのがでしょうか。働く時間は、人生の多くを占めることになります。その多くの時間を使って、単におかねを稼ぐだけではもったいないと思いませんか。

そこで覚えてほしい考え方が「ikigai」です。「生きがい」とは、生きていく上での喜びや張り合いなど、日本人の幸福感を考えるうえで重要な概念です。元々は日本固有の考え方でしたが、最近では、海外でも「ikigai」が注目され、広まっています。

働くうえで、おかねを稼ぐことはとっても大切なことですが、その仕事を何のためにしているのか?仕事が「生きがい」であるかどうか?という視点を持つことも大切です。
Ikigaiを表すチャートによれば、「あなたが好きなこと」「あなたが得意なこと」「社会から必要とされること」「収入が得られること」が重なり合った中心に「生きがい」があるとのことです。
これから、色々なことに目を向けたり、学んだり、チャレンジをしたりして、好きなこと・興味あること・得意なことをたくさんみつけてください。将来「生きがい」を感じる仕事に就くためには、そうやって好きなことや得意なことを探す、増やす、磨くと、チャンスが広がると思います。
成功も失敗もすべての「経験は財産」です。人生にムダな経験なんて一つもありません。失敗を恐れず、半歩ふみ出す勇気を持って、小さなことでも色々なことにチャレンジしていってください。
必要なおかねをしっかり稼いで、生きがいを持って働く!そんなステキな人生を目指していきましょう。

いろいろな職業のお話や、どうやって夢を実現したのか、ステキな仕事をしている人たちのインタビューはこちら

インタビューはこちら

資産形成って何なのだ? エン博士④

  • 資産形成って何なのだ? エン博士④

資産形成ってなに?何のために資産形成をするの?エン博士と一緒に考えてみましょう!
※資産形成に取り組む前に、資産形成の授業をする前に、ぜひご覧ください。
【対象:中学生以上大人まで】

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どんな社会で生きている?

わたしたちが現在暮らしているのは、経済社会です。ごはんを食べたり、スマホを使ったり、毎日暮らしていくにはもちろん、好きな洋服やゲームを買ったり、将来のために学校に通ったり、海外留学したりと、生きていくため、そして夢や目標を叶えるためにおかねが必要になってきます。現代は、多くのことにおかねが掛かる社会なのです。
「経済」とは、さまざまなモノやサービスが作られたり、それらが運ばれたり、売られたり、そしてそれを買ったり、使ったり、食べたりする活動すべてのことを言います。社会全体が「体」だとすると、おかねは「血液」と言われ、体中をぐるぐると巡っています。その血液を送り出している「心臓」にあたるのが、日本銀行や銀行なのです。血液が体をグルグルと巡らないと健康ではなくなりますよね。それと同じで、経済社会もおかねが循環しないと元気がなくなってしまう(不景気)のです。
これからみなさんが自立して生きていく社会は、多かれ少なかれ必ずおかねが必要になってきます。

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人生100年時代って何?

ここで一つ大きな問題が世界中で起きています。人生100年時代です。英国の著書『LIFE SHIFT』で提言された言葉で、人生100年時代とは、世界で長寿化が急激に進み、先進国に住む2007年生まれの人のうち、2人に1人が100歳を超えて生きるという予測のことです。なお日本では、107歳より長く生きると推計されており、世界トップクラスの長寿社会を迎えました。定年後が40年以上続くような長寿社会になると、たとえば、これまでの教育→仕事→引退(定年退職)といった定番の流れから、働き方や学び方、生き方自体、多様に変化するかもしれませんね。

資産形成が必要とされる要因1

今回の本題、「資産形成」が必要になってくるひとつの要因は、人生100年時代なんです。文字通り人生が長くなるということは、その分、掛かる支出も増える訳ですが、体力や健康面から100歳まで生涯働ける人はなかなかいないため、働くのを辞めたあとは、年金等があるものの支出はあるが給与等のない毎日となり、超高齢社会では、この期間が長くなるということになります。
そこで資産形成が大切になってくるんです。簡単にいうと、定期的な収入が無くなってから亡くなるまでの間に必要なおかねを準備しておかないといけない、その期間が平均的に長くなったことで、準備するおかねも増えるということなのです。退職金や年金だけでは厳しい時代になってきたのです。そこで将来の不安を解消するために、早い段階から積立などを活用した無理のない長期運用をするといった資産形成が大切になってくるのです。
老後になって、自由な時間が増えても、旅行に行ったり、学びなおし(リカレント教育)したり、大好きなお孫さんにプレゼントを買ってあげたり、好きなこともできずに暮らすよりは、いくつになってもなるべくいろんなことをして楽しく暮らしたいですよね。

資産形成ってなに?

今回お伝えしている「資産形成」とは、文字通り人生でおかねが不足しないために、おかねを貯めたり(貯蓄)、増やす(投資)ことです。一般的には預貯金や投資信託など金融商品を活用して金融資産を貯めたり増やすことをいいます。
また資産には、不動産や車、アート作品といったものもあります。さらに知識や技術、健康や家族、人脈や評判など人生を豊かに生きるための大切な資産もあるんです。知識向上、健康促進、人的ネットワーク拡大など資産を増やす活動のために、おかねを増やして、使う。そして、知識が増えて仕事の質や量が増えたり、健康になって働く期間が延びて、収入アップにつながるなど、ぐるぐると循環させて自分の資産をたくさん増やしていくことが、より豊かですてきな人生の一助になるかもしれませんね。

資産形成をする前に

資産形成に、どれだけおかねを掛けられるか把握するためにも自分の収支を「見える化」する必要があります。いわゆる金銭・家計管理です。おこづかいちょうや家計簿を活用しながら毎月の収入と支出を把握することが大切です。収支がマイナスでは基本的に資産形成はできません。まずは収支がプラスであるかどうかを把握し、マイナスであれば、支出を見直したり、今の仕事をがんばったり、アルバイトや転職、副業など収入を増やすことにチャレンジなどして、収支をプラスにすることからはじめましょう。

資産形成が必要とされる要因2

資産形成のもうひとつの要因は、夢や目標をかなえるためです。そのための考え方が人生のプランニングです。簡単にいうと、やりたいことや目標を具体的に考えることを「ライフ・プランニング」、そのためにおかねはいくら必要なのかと考えることを「ファイナンシャル・プランニング」といいます。つまり、やりたいことや目標を考える時には、必ずおかねについても考えようということです。このやりたいこととおかねを一緒に考える「クセ」を付けることで、きっと、夢や目標の実現可能性が高まると思います。

資産形成が必要とされる要因3

まだ夢や目標が見つかっていない人も、人生には準備資金というおかねが必要となります。これが資産形成の3つ目の要因です。どんな人でも将来が確実に予測できる人はいませんよね。準備資金とは、突発的に起こるかもしれない支出への備えなのです。たとえば、「突然、病気やケガをして病院にいかなければならない」、「突然、結婚式や出産の連絡がきてお祝いにお金が必要となる」、「突然、車や洗濯機が壊れて、修理や買い替えが必要となる」など、経済社会に生きているため、突然の出来事にも何かとおかねが必要となってくるのです。お金がないから、「病院に行けない、親友の結婚式に出れない、洗濯できない・・・」とっても困りますよね。そのために、すぐに使える(引き出せる)おかねを準備しておくことも大切なのです。
前述の人生100年時代に突入する中、自分が何歳まで生きるかどうかは予定が立たないですよね。このために、若い段階からコツコツと老後資金をゆっくり準備しておくというのもひとつの考え方となるでしょう。

プランニングをやってみよう

たとえば「パティシエになりたい」としたら?
・高校を卒業したら、知識や技術を身につけるために製菓学校に行こう!
・フランスに旅行して本場の味も食べてみなきゃ
・本場で修行したいから、日本でフランス語を学んでパティシエ留学しよう
・その後、お客さまに胸を張って提供できるおいしいお菓子が作れるようになったら自分の店を開こう。そのためには、物件を探し、器材や材料を揃えて、働く人を募集して・・・

こんなふうに、「なりたい自分」になるためには、どういう経路があるのか、やるべきことが必要か書き出してみると、具体的に見えてきますね。そして、書き出したやるべきことの多くにおかねが必要になりますね。製菓学校に行くには? 留学するには? 開店するには? ネットや本で調べてみてわかったら、一緒に書いていきましょう。

やりたいこと、夢や目標に足りない場合は?

①やりたいことに掛かる費用を見直す ②その他のことに掛かっている費用を見直す ③預貯金など資産を取り崩す ④仕事をがんばっておかねを稼ぐ(本業、副業、転職、アルバイト…) ⑤やりたいことを実現する時期を見直して、資産形成を行う ⑥ローンを組んだり、奨学金などの制度を利用する

このように、資産形成にチャレンジしたり、仕事をがんばったり、費用ややりたいことの時期を見直しながら、夢や目標の実現に向かって歩んでいきましょう。

最後に

おかねとは人生に必要な便利な道具です。資産形成の目的は、ゲーム感覚で道具を増やすことではありません。資産形成の目的とは、①超高齢社会を少しでも豊かに生きるため、②夢や目標をかなえるため、③突然の出費に対応するため、これらに必要な手段のひとつということがわかりましたね。
資産形成を行うにあたって、NISAなどは聞いたことがあると思いますが、預貯金、公社債、株式、投資信託、保険・・・とさまざまな金融商品が存在し、それぞれにメリット・デメリットが存在します。また、株式や公社債などの購入は、企業や政府などの活動資金となり、経済成長を支えることにもつながるのです。くわしくは、当サイトの教材「資産形成の基礎知識」(高校生以上)をご覧ください。

はまペン

おかねが足りないから、夢や目標をあきらめる人生にはなりたくないですよね。おかねは人生に寄り添う便利な道具なんです。おかねという道具を上手に使って、資産形成を行い、夢や目標をかなえたり、不安を減らしたり、知識や健康、人的ネットワークといった資産を増やしたり、よりすてきな人生をすごしていきましょう。

おこづかいちょうをつけてみよう

  • おこづかいちょうをつけてみよう

「おこづかいをもらった!」これから自分の“おかね”を考えるみんな。「“おかね”のため方、使い方、何から教えてあげればいい?」そんな悩みを持っているお父さん、お母さん。ぜひ見てみてください!
【対象:小学校中学年】

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こどもの金融教育

はまペン

今回は、おうちでできる金融教育についてお話ししていきます。
欧米では、すでに学校教育に一部組み込まれている金融教育。
日本でも、社会科や家庭科などで少しずつ行なわれるようになってきていますが、浸透するのはまだ時間がかかるでしょう。
では、ご家庭でできる「金融教育」とは?

楽しみながら社会のしくみを学ぶキッザニア然り、こどもは体感するのが効果的ですから、生活の中で意識して「おかね」に関するコミュニケーションを取って欲しいと思います。たとえば、有効なのが「おこづかい」です。ただ、おこづかいを渡すのではなく、そこに学びを加えていくのはいかがでしょうか。おこづかいでの学習は、こどもたちの将来の健全な金銭管理能力を養うほか、社会における大切なことを学べる金銭・金融教育、ひいては生きる力を育むことにつながります。こどもから大人まで使えるはまペンの「おこづかいちょう」で説明していきます。

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学びについて

【おかねの価値と稼ぐ大切さ】
  • おこづかいは無尽蔵にあるものではない
  • どこからおかねはやってくるのか
  • 親が働いた対価としてもらったおかねであること
  • 稼ぐことの大切さを理解していく
  • そして、働くことの大切さや親の仕事への理解、興味関心へと繋げていく

はまペン

【道徳感】
  • 必要なものと欲しいものの違い(ニーズとウォンツ)
  • ガマンすることの大切さ
  • 選択・決断すること
  • 目標に向かって努力すること

おこづかいちょう

「はまペンのおこづかいちょう」では、親の確認欄やコメント欄を設けており、こどもと親のコミュニケーションのツールともなります。みなさんも、ぜひ、実践してほしいと思います。

大人も金融教育

はまペン

そして、家計簿をつけていないご家庭や大人は意外と多いのが実情です。こどもに教えるなら、まずお母さんやお父さんからはじめることが大切です。本当は家計簿をきちんとつけることがよいのですが、ハードルが高い。。という方は、簡単な支出帳からはじめてみてください。おかねというブラックボックスを可視化することで、見直す支出がきっと出てくるのではないでしょうか。

たとえば、「金曜は夜遅くまで飲んでしまい、タクシー代が嵩んでいた」→「飲みすぎないで電車で帰るようになった」など生活習慣まで見直すことができたり、「予想以上にネットショッピングでの買い物が多かった」など、いろいろな気づきが出てくることでしょう。親御さんに限らず大人も金融教育!やりやすい自分なりの方法で、みなさんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

おこづかいちょう(簡易家計簿)のつけ方

はまペン

はまペンのおこづかいちょうは1か月に31行の欄があるので、1年間使用することができます。下の画像は大人とこどもの実際のつけ方の一例です。みなさんもご自身とこどもにぴったりの家計簿・おこづかいちょうを見つけて、まずは1年以上継続してつけることを目指しましょう。大人のつけ方のコツは、正確さより簡単につけて継続することがポイントです。はじめに自分なりのルールを決めましょう。

大人のルールの例

「レシートを取っておいて2、3日に一度まとめて記入する」
「食費は外食と食費(自炊用)の2項目か+αぐらい」
「10円単位(1円単位)は四捨五入する」
「クレジット使用なども決済日ベースでなく、使用日ベースでレシートから記入する」
「オートチャージではない電子マネー(suicaやpasmoなど)は、チャージ時に記入する」
「口座からの引き出しや入金は記入しない」
「お財布の現金と決済口座の残高を月の初めにメモする」などです。

こどもの使い方の例

こどもの使い方の例

おとなの使い方の例

おとなの使い方の例

まとめ

はまペン

「おこづかい」というツールも有効ですが、日頃からご家庭でお仕事の話しをすることで、大人になってきちんと「稼げる。すなわち生活できる」こどもが育っていくのではないでしょうか。自営業の方のこどもは金銭感覚を自然と養っていくことも多いですよね。たとえば、最近、経済的理由で「結婚しない」、「こどもは一人にしておこう」など、「○○しない」とあきらめる大人も増えているそうです。小さいうちから、おかねの価値観を養い、稼ぐ心をきちんと育くむことが、こどもの将来のしあわせ(地域の、日本の、未来)に繋がるのではないでしょうか。

はじめてのSDGs

  • はじめてのSDGs

「SDGsってなに?」3つのキーワードがあります。SDGs初心者の方はもちろん、改めて学びたい方にもおすすめです。
【対象:小学生以上大人まで】