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あなたのそばで、夢みる数字

キマグレンさんロングインタビュー 夢みる数字vol.12「絆」篇


アーティストのキマグレンさんロングインタビュー
音楽をとおして元気を届けてくれるキマグレン。逗子を拠点に、LOVE(愛)+LIFE(人生)+LOCAL(地元)という3つの「L」をテーマに活動するおふたりから『夢』『子ども』そして『絆』についてメッセージをいただきました!

おふたりの小・中学生の頃の夢を教えてください。

KUREIさん(以下、K):オリンピックに出ること。水泳選手として出たいと思ってました。
ISEKIさん(以下、I):僕は漫画家になりたかったですね。
その頃、下敷きに漫画をマッキーで写すのが流行っていて、 写したのを見て「俺、行けんじゃないか?」と思ってましたね(笑)『ドラゴンボール』とか、『聖斗聖矢』に夢中だった。

将来、歌手になりたいという子どもがいたら、どういうアドバイスをしますか?

K:とりあえず、やってみたらと言いますね。どうしよう?と言っているあいだに年をとっちゃって、やれなくなっちゃうこともあると思うから、やっぱり何事も飛び込んでみて始まることが多いんじゃないかな。文化祭で歌ってみるとか、バンドを組んでみるとか。僕の場合は、自分でライブハウスにブッキングしに行って、ライブをやったりしました。好きな子に見せたい!とか、好きな子とバンドやりたい!っていうのが動機でしたね(笑)

I:夢をかなえる方法に正解はないんですよ。実際、プロの中には色んな人がいる。メッセージを持っていたり、メッセージよりもスタイルを大事にしていたり。手がかりがないときは、自分が楽しそうだな、と思ったものに手をつけてみる、というのはいいと思いますね。あと、力まないこと。やってみて、それを楽しむことが重要なのかなと思います。そのあとで、突き詰めていく時期もあるだろうし、色々考えることもあると思う。それをまるごと楽しむのがいいですね。

おふたりは逗子海岸のライブハウス・音霊の運営もされていますが、それがアーティスト活動に影響しているところはありますか?

K:音楽活動をやることと、音霊をやることって、それぞれ両方に活きてくるんです。音霊で学んだことを音楽に生かしたり、その逆もある。たとえば仲間が恋愛で悩んでいたら、そのことを歌詞にしようかな、ってこともあるんですよ。両方あるぶん、視界が広がる。

I:すべてのことは密接に絡み合ってますよね。僕らの場合は二足のわらじでやっていこうと決めて、そうすることで大変な面もあるけれど、それを乗り越えてみると、ムダなことはひとつもないってことに気づかされる。両方やることは、僕らにとっては大事なことだと思いますね。

いろいろなご苦労もあると思いますが、どのようにストレスを発散していますか?

K:僕は最近ボクシングを始めたんですよ。体力をつけたいとか、体を作りたいっていうことが動機だったけど、そういうふうに新しいことにチャレンジすることでリフレッシュになるし、音楽にもいい影響を及ぼしてると思いますね。

I:僕は毎朝1時間くらい走ってるんだけど、最近、自分からあいさつするようにしてるんですよ。近所のおばちゃんとか警察の人に、わざと大声で(笑)。それに相手が笑顔で答えてくれたりするとそれだけでうれしくなる。そういう朝の気持ちいいやりとりがきっかけになって、まわりの人とふれあう機会は、もっとあったほうがいいな、と思うようになりましたね。

たくさんの人と出会うことの多いおふたりが、とくに『絆』を感じる瞬間ってどんなときですか?

K: 同じ目標を持ってる仲間とのハイタッチとか、抱き合って「やったあ」っていう一言だったりとか。多くを語らなくても共有できる何かってあると思うんです。最近だと、ボクシングで同じチームメイトとハードな試合をして。終わったときに、「なかなか良いパンチ打ちますね」と賞賛しあって、その感じがある意味男っぽいというか、男臭い『絆』を感じましたね。ボクサーや格闘家は拳で会話をする、というけど、こういうことなのかなあ、と。

I:僕はライブ。色んな土地に行って、「待ってたよ」とか「お帰りーっ」て声をもらうんです、お客さんから。たとえば僕が実家に帰ると「ただいま」「おかえり」っていう一言のやりとりだけで家族とのつながりを感じるんです。それとおなじような空気感がステージにはある。そういう時に『絆』を感じますね。僕らも待ち望んでいたし、お客さんからも望まれている。お互いが望んでいるということ。

『絆』といえば、KUREIさんとISEKIさんの間の『絆』がありますね。

K:よく、仲がいい風に見られるんですけど、実はぜんぜん違うんですよね、僕ら(笑)

I:取材する人が困るだろ、お前(笑)このインタビューのテーマ、『絆』(笑)

K:まあ、もう17年近く一緒にいるんで、ここまでいると、それこそ親兄弟より一緒にいるし、お互いの家族のこともよく知ってる。僕が、うちの妹と最近話してないなあって言ってたら、ISEKIが「俺、この前話したよ」って(笑)。99%兄弟みたいなもんで、昔はくだらない喧嘩もしょっちゅうして、まわりから見たらまたやってるよ、と笑われるような感じ。

I:今はもう、けんかっていうものはほとんどないけどね。どっちかっていうと、意見を言い合うという感じ。お互い望んでるものがわかってくるんですよ、こういう言い方がきらい、とか。同じ場所を目指していても、そこまでの行き方の違いとか、お互いのこだわりっていうのが、それぞれわかってきたというのは大きいかもしれないですね。理解できなくても、納得はできる。

K:そう考えると、『絆』って思いやりなのかな。いわゆる、恋ではなく、愛っていう感じ。自分の表現をおしつけるのが恋だとしたら、愛は、相手のことを考えて行動するもの。恋愛に限らず、家族でも、仲間でも同じかもしれません。

キマグレンといえば、逗子。地元を大切に活動をされていますが、そういう意識はいつ頃からお持ちでしたか?

K:地元が好きだっていう感じは、もう子どもの頃からですね。実家は逗子なんだけど、5歳ぐらいから自分の意志ではなく留学したりしてたんで、「早く帰りたい!」と思っていた。だから、その頃からありがたみは感じていましたね。

I:地元への気持ちって頭ではわからなくて、感覚的なもの。おじいちゃんおばあちゃんがいて、仲間がいて、家族がいて、いつもそこにあるもの、というより、それでしかないもの。僕はそこで生活していて、これからも生活していく。離れる意味もないし、離れたくもない。言葉にはならないけど、そういう気持ちが、僕にとっての地元への愛情なのかもしれないですね。地元で仕事をするっていうのは大変なこともある。そういうのもひっくるめて、応援してくれる人たちの存在と、そこにいる自分を原点にしなきゃいけないな、と最近になってあらためて思いました。

震災後、キマグレンは被災地に対するさまざまな活動をされています。先日、気仙沼の子どもたちと交流されたときには、どんなことを感じられましたか?

K:一言で言うと、強いなあ。年齢を重ねると、いろんなことを経験したり見たりすることで逆に弱くなっていく面もあると思うんです。でも、子どもたちは、悲しんでいる大人たちのそばで、ワーって笑って一生懸命走っていたりする。で、言葉が強いんです。「またね」って言ったら、「どうせ帰ってこないくせに」って泣きながらい僕に言った女の子がいた。その後、ライブで再会できたんですけど、そのときは元気よく笑いながら遊んでいたりして。

I:僕自身、震災に関して質問をされると、最初の頃は言葉に詰まっていただけど、今は素直に答えることができる。それは被災地で出会った子どもたちのおかげだと思うんです。子どもたちは自分では気づいていなくても、いろいろなものを発信していて、僕らに元気をわけてくれる。悲しいときは涙を流して泣くし、素直に気持ちを表現する。震災が起きたことによって、それが強さを増しているな、って感じるんです。それに対して、僕は感謝しています。

いまの子どもたちにメッセージをお願いします。

K:どうせ大人になったら色んな物に縛られるんだから、子どものうちは自由だよ!って教えたい。まず、子どもの頃の自分自身に言ってやりたい。「親の言うことなんて聞かないでいいから」って。

I:インタビュー記事に書けないだろ(笑)

K:うちは厳しかったんですよ。その頃があったから今の俺があるので感謝しつつ、子どもたちに伝えたいことは、やっぱり「自由だ!」ってこと。もっともっと自由に生きる子どもを僕は見てみたいし、自分に子どもができたら、自由に育てたい。「煙草はいかんよ」「お酒はまだ早いだろ」とか、「お前、彼女ができたら連れてこいよ」とかね(笑)アドバイスしながら、友達みたいな付き合いをしたいと思いますね。

I:僕は、小中学生のころを振り返ると、すごく精一杯でした。だから、どんな形でもみんな一生懸命やってると思うんですよ。その頑張りに対して、ムダじゃないよ、と言いたいですね。目標が今ははっきりしてなくても、ムダになることはひとつもない。遊んだ経験だって、今の僕に活きているんです。遊んでもいいし、力を抜くときがあってもいい。自信をもってやってください、と伝えたいです。

ありがとうございました。最後に、おふたりのこれからの夢を教えてください。

K:やりたいことを、残りの人生かけて、全部やりたい。音楽の中でのやりたいことも、会社の中でやりたいこともいっぱいあるんです。本も書いてみたいし。そういう、やってみたいことを並べたリストを作ってるんです。その中には、「毎朝、フルーツと野菜のフレッシュジュースを作って飲む」とかもあるんですけどね(笑)料理とかしない僕の生活の唯一、手作り。でも、切って混ぜたり、その時間が楽しいんですよ。ヘラクレスオオカブトムシを飼ってるんですけど、絞った残りのかすをあげたりしてね(笑)

I:僕もリストがある。いついつまでにやる!っていう目標を作って、できたらそれを消すのが楽しみなんです。その中のいくつか目標は、続けることが必要なもの。ギターの技術をあげる、もっと歌えるようになるとか。そういうことを、自分が納得できるまでやっていきたい。そうやって、自分がどこまでやれるのか、確かめてみたいんですよ。経営の世界でも、音楽の世界でも上には上がいるんで、自分はまだまだだなと思うことで、学び続けていたいんです。おじいさんになったときに、若い子に、「わかんないんだ、教えてよ、え?すごいな?」と素直に言えるような自分が目標です。

きまぐれん
逗子育ちの幼なじみであるISEKI(Vo.&G.)とKUREI(Vo.)の2人で、2005年に結成。同年逗子海岸に海の家ライブハウス(現「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」)を立ち上げ、自らもアーティストとして出演することになったのが結成のきっかけ。震災後にリリースされた『蛍灯』が映画『311:ここに生きる』の主題歌に決定している。2月から春のツアーがスタート。

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