横浜銀行歴史資料館 展示資料と解説

明治5年（1872年） 横浜為替会社 洋銀券5弗（日本銀行貨幣博物館所蔵）
わが国で洋銀券（ドル紙幣）を発行したのは、横浜為替会社とその会社を改組した第二国立銀行のみであった。
裏面上部に「改第二国立銀行」という赤いスタンプがある。これは、明治５年（1872年）に横浜為替会社が発行したこの洋銀券が、第二国立銀行に組織変更後も、第二国立銀行発行のものと読み替えて流通していたことを示している。

明治7～9年（1874～1876年）ごろ 第二国立銀行 2円旧券（表）（日本銀行貨幣博物館所蔵）
全国に設置された国立銀行は、明治15年（1882年）の日本銀行開業、翌16年（1883年）の国立銀行条例改正まで、それぞれ紙幣を発行していた。

明治7～9年（1874～1876年）ごろ 第二国立銀行 2円旧券（裏）（日本銀行貨幣博物館所蔵）
全国に設置された国立銀行は、明治15年（1882年）の日本銀行開業、翌16年（1883年）の国立銀行条例改正まで、それぞれ紙幣を発行していた。

明治10～16年（1877～1883年）ごろ 第二国立銀行 1円新券（表）（日本銀行貨幣博物館所蔵）
全国に設置された国立銀行は、明治15年（1882年）の日本銀行開業、翌16年（1883年）の国立銀行条例改正まで、それぞれ紙幣を発行していた。

明治10～16年（1877～1883年）ごろ 第二国立銀行 1円新券（裏）（日本銀行貨幣博物館所蔵）
全国に設置された国立銀行は、明治15年（1882年）の日本銀行開業、翌16年（1883年）の国立銀行条例改正まで、それぞれ紙幣を発行していた。

明治11～16年（1878～1883年）ごろ 第七十四国立銀行 5円新券（表）（日本銀行貨幣博物館所蔵）
全国に設置された国立銀行は、明治15年（1882年）の日本銀行開業、翌16年（1883年）の国立銀行条例改正まで、それぞれ紙幣を発行していた。

明治11～16年（1878～1883年）ごろ 第七十四国立銀行 5円新券（裏）（日本銀行貨幣博物館所蔵）
全国に設置された国立銀行は、明治15年（1882年）の日本銀行開業、翌16年（1883年）の国立銀行条例改正まで、それぞれ紙幣を発行していた。

明治29年（1896年） 平塚銀行設立許可証（当行所蔵）
当行の前身のひとつである平塚銀行の設立許可証。明治25年（1892年）から同40年（1907年）にかけて、神奈川県でも銀行設立ブームを迎えた。

大正10年（1921年）2月 横浜興信銀行京都支店営業案内（横浜市立図書館所蔵）
横浜興信銀行設立直後の営業案内。横浜興信銀行設立の性格が端的に示されている。破綻した銀行の整理のために生まれたことを説明し、「自画自賛」であるが、「基礎の堅固なことや信用の厚いことは一点の疑を容れない」としている。なお、京都支店は、翌11年（1922年）に廃止された。
日本銀行から着任した、齋藤虎五郎が常務取締役と記載されているが、正しくは専務取締役である。

大正10年（1921年）2月 横浜興信銀行京都支店営業案内（横浜市立図書館所蔵）
横浜興信銀行設立直後の営業案内。横浜興信銀行設立の性格が端的に示されている。破綻した銀行の整理のために生まれたことを説明し、「自画自賛」であるが、「基礎の堅固なことや信用の厚いことは一点の疑を容れない」としている。なお、京都支店は、翌11年（1922年）に廃止された。

昭和7年（1932年）11月 横浜興信銀行営業案内（横浜市立図書館所蔵）
関東興信銀行と合併し、湘南・小田原方面まで店舗網を拡大した直後の営業案内。店舗配置図・列車時刻表が載せられている。

昭和7年（1932年）11月 横浜興信銀行営業案内（横浜市立図書館所蔵）
関東興信銀行と合併し、湘南・小田原方面まで店舗網を拡大した直後の営業案内。店舗配置図・列車時刻表が載せられている。東海道線の本数は現在と比べものにならないほど少ないが、横須賀線は1時間に2本、現在とさほど遜色のない所要時間で電車が運行されていたことがわかる。

大正8年（1919年） 戸塚銀行20周年を記念して配布された盃（さかずき）

昭和2年（1927年）ごろ 特別当座預金通帳（第二銀行高崎支店）
通帳裏表紙の原 富太郎頭取のあいさつ文に、明治2年（1869年）設立の横浜為替会社からの連続性が語られている。第二銀行の営業を継承した当行の歴史も横浜為替会社から始まる。

昭和14年（1939年） 貴金属供出品に使われていた秤（はかり）（鎌倉銀行一色支店）
戦時下において、銀行は貴金属供出の窓口ともなっていた。「五拾瓦」とあるのは、「50グラム」のこと。分銅を用いて50gまでの計量ができるものであった。鎌倉銀行一色支店は、六行合同により横浜興信銀行一色支店となり、昭和27年（1952年）に葉山支店と統合された。

昭和15年（1940年）ごろ 金属製の番号札（鎌倉銀行）
当時も銀行窓口での現金引出し時には、番号札が使われていたが、金属製で重厚感のあるものだった。

昭和40年（1965年）ごろ 「マルちゃん積立」通帳と当時の普通預金通帳
「マルちゃん積立」は昭和40年（1965年）3月に取り扱いが開始された。オンライン処理やそれに先立つオフライン処理が始まる前であり、まだ手書き記帳・利息手計算の時代だった。

昭和40年（1965年）ごろ 「マルちゃん」の下敷き
当行のマスコットであった「マルちゃん」を使ったサービス品のひとつ。このほか、貯金箱などもあった。

七十四銀行高崎支店・横浜興信銀行高崎支店の看板
当行は、現在も群馬県に高崎・前橋・桐生の3か店がある。群馬県と当行の関係は、横浜興信銀行設立以前、明治時代にまでさかのぼる。
明治17年（1884年）、群馬県・高崎九蔵町に第七十四国立銀行高崎支店が開店した。
明治11年（1878年）に横浜に設立された第七十四国立銀行は、第二国立銀行とともに、生糸売込商を中心とする横浜商人のための銀行であり、生糸産地である群馬県、特に貿易港横浜とを結ぶ交易の拠点・高崎への出店は、膨大な代金決済のためにも必要不可欠であった。明治15年（1882年）に頭取となった茂木惣兵衛（初代）は高崎の出身である。
明治28年（1895年）、茂木家はみずからの事業のための機関銀行として、茂木銀行を別途設立し、その翌年には、第七十四国立銀行高崎支店を茂木銀行の高崎支店に改めた。なお、国立銀行の営業満期到来により、第七十四国立銀行は横浜七十四銀行と改称している。
第一次大戦期の好況を機に、茂木家は積極的に事業を拡大し、その旺盛な資金需要に応えるため、大正7年（1918年）、横浜七十四銀行と茂木銀行を合併し、七十四銀行とした。しかし、第一次大戦後の反動恐慌の影響を受け、大正9年（1920年）5月に七十四銀行は経営破綻・休業する。そして、同年12月、横浜興信銀行が設立され、七十四銀行の整理を受託し、横浜興信銀行高崎支店として営業が再開されることとなった。
この「七十四銀行高崎支店」の看板は、大正7年（1918年）からわずか2年で「横浜興信銀行高崎支店」の看板に代わることとなった。横浜・東京の店舗は、横浜興信銀行設立3年後の関東大震災によりすべて焼失したため、震災以前の看板が残っていない。被害を免れた高崎支店の看板だけが残ったのである。

はまぎんのマルちゃん
昭和39年（1964年）、横浜銀行は新たにマスコット貯金箱を作成し、お客さまにお渡しすることになった。10月には、その愛称を行員から募集し、「マルちゃん」と決まった。「はまぎんのマルちゃん」は横浜銀行のマスコットとして店頭に置かれ、お客さまをお迎えしていた。昭和40年（1965年）には、通帳の表紙にマルちゃんが描かれた「マルちゃん預金（普通預金・自由積立預金）」の取り扱いを開始するなど、業績伸展に活躍した。このころの横浜銀行の預金高は約3,000億円。現在の30分の1以下であった。
この「マルちゃん」は、大阪支店の倉庫で発見された。大阪支店は昭和34年（1959年）の開店。神奈川県内の店舗とは異なり、開店当初から法人取引を主体とする店舗と位置づけられていたため、この「マルちゃん」は実際には店頭に立つことが少なかったようだ。このようなことから、風雨にさらされなかったためきれいな姿で残った、と推察される。