ツヅク、ツナゲル プロジェクト - 井上鷹(三刀流プロサーファー)

三刀流プロサーファー 井上鷹 TAKA INOUE

TAKA INOUE 三刀流プロサーファー 井上鷹 はまペン

自然と向き合う競技として
注目を集めているサーフィン。
サーフィンの聖地ともいえる宮崎県に生まれ
「いじめ」という経験を乗り越えて
瞬く間に世界チャンピオンへとなった
井上鷹選手の魅力へと迫っていきます。
彼が掲げる「三刀流」とは。

Challenging Story

Episode.1 挑戦のはじまり 別ウィンドウが開きます

Episode.1 挑戦のはじまり

Episode.2 Coming Soon

Interview

フルバージョン掲載中

Story 01 ぼくにしかできないこと

井上鷹選手

「三刀流プロサーファー」という肩書きの由来を教えてください

サーフィンと一括りで話しても、ショートボード、ロングボード、SUPサーフィン、ボディボードなどいっぱいありまして、このほかにもいろいろな競技があるんですけど、その中でぼくはショートボードとロングボードとSUPサーフィンの3種目のプロとして活動しているので「三刀流」と名乗っています。

3種類を乗り分けるのは難しいですか?

競技としてやっている人はほとんどが1種目のみです。ぼくの率直な感想としては完全に別のスポーツで、すごく練習して乗り分けられるようになりました。すべてが完全に独学です。

もちろんめちゃくちゃ難しいんですけど、何よりもやっぱり日本の風潮というか、ひとつを一生懸命がんばるみたいなところがあります。

海外での「三刀流」の評判はいかがですか?

すごいの一言です。褒められましたし、みんなにすぐ名前を覚えられましたね。すべてにおいてトップ選手っていないんですね、ほぼ。だから「ぼくにしかできないこと」だなって思って。なので今では「ロングボードノーズライディング」という技をショートボードでやったり、空中を飛んだりとかのショートの技をロングでやるっていうのをミックスしています。新しいジャンルじゃないですけど、いい循環が生まれています。

三刀流ならではの利点はありますか?

3つやっていたからこその発見は本当にいっぱいあります。あと考え方としても、ひとつにこだわらないというか、ひとつに絞らないというか、視野を広くという意味ですごくいい影響があります。サーフィン以外のところでも日常生活にもすごくいい影響があるかなと感じています。

Story 02 サーフィンだったら
がんばれた

井上鷹選手

サーフィンをはじめたきっかけを教えてください

11歳の終わりに地元の海をビーチクリーンしている中で、ボディボードを拾いまして、それに立って乗ったのがきっかけです。それを見ていたサーファーの方が「ボディボードって立って乗るものじゃないよ」って言ってサーフボードを貸してくださって、乗ったのがはじまりです。
サーフボードだと簡単に乗れちゃって、もうそのスピード感が気持ちよくて「なにこれ!」ってなって。「水の上を走っている」という感覚がすごくて。いまだにあの感覚は忘れられないですね。

本格的にプロになろうと思ったきっかけは?

中学卒業する前の年に親に「来年どうするの?」と聞かれ、勉強は嫌でしたし、学校の思い出というと「いじめ」しかなかったので、だったらやだなって思ってた時に、サーファーの方に「大会に出てみないか?」と声をかけられて出たんですが、そこで優勝して。さらにまわりの方たちが「プロになれるんじゃない」「もっとやりな」と言ってくれて、サーフィンだったらがんばれるかもって思ったんですけど、親から反対されまして(笑)。だけどあの時ぼくはこれしかできることないなって思っていたので、高校に行く3年間分をサーフィンにあてて、成績が出なかったら3年で辞めるからと言って頼みました。「プロになる」って自分で言ったんでもうできる限りのことというか、ひたすら練習しはじめました。

Story 03 こんなにうまいサーファー
見たことない

井上鷹選手

3年間の成果はどうでしたか?

最後の年、茅ヶ崎で開催されたロングボードのプロツアーで初優勝して、それを最後に引退しようと思っていたんです。前年に世界最高峰ツアーの出場権をアジアランキング1位で獲得していたので、憧れの世界チャンピオンとかが出てる大会に出たんですが。ぼく英語は「ハロー」と「サンキュー」くらいしかしゃべれなかったのに前年の世界チャンピオンに声をかけられて。
でもなに言ってるか全然わからなくて、母が英語しゃべれたので母を呼んできたら、名前を聞かれていたらしいんですよ。

「こんなにうまいサーファー見たことない」って言われて。あの人たちにそこまで言ってもらえるって、これはもうちょい続けるべきかなと。

いじめがあったりとか、日本でなかなか勝てないしもう辞めようと思ってたって話をしたら「そんなの関係ないじゃん」って言われて。英語しゃべれなくてもサーフィンうまけりゃいいし、外野は無視して世界においでよ、来年待ってるよって言われて。すごくうれしくて、もうちょいやりたいと思いました。親も「やる価値あるかも」と。それで続けた結果、アジア初の記録を樹立することができました。

Story 04 サーフィンは
楽しいだけじゃない

井上鷹選手

サーフィンを続けていて怖いと思ったことはありますか?

怖さしか潜んでいないです。自然相手なので。ぼくが一番怖いなって思うのはやっぱり「変化の速さ」です。最初海に入った時、穏やかで天気もよかったのに、いきなり風が吹いてもう一瞬にして大荒れになったりとかもあるんで。その変化のスピードはすごく怖いですし、何よりもやっぱり人間の力では絶対勝てないっていうところで、怖いですね。

サーフィンは楽しいだけじゃない、怖さもあるってことをまず知ってほしいなって思います。

井上鷹選手

Story 05 ツヅケルためのコツとは

井上鷹選手

ツヅケルためのコツはありますか?

自分を褒める。自分が自分を信じられなかったら誰も信じてくれないし。あと、周りになんと言われたとしても、好きを否定しないこと。そのおかげで、いじめで学校行けなかったところから世界チャンピオンにまでなれたんで。「何かを好きであり続ける」っていうことは本当に大切なのかな。

今後の目標を聞かせてください

三刀流すべてで世界チャンピオンを獲りたいなと思っています。現状 SUP サーフィンはすでに2部門獲ってまして、ロングボードも世界2位までいってるので、あと一歩というところなので、最後はショートボードでも獲りたいなって。それが「未来をつくる」「サーフィンの可能性を広げる」ことにもつながるので、どんどん三刀流で数を伸ばせていけたらと思います。

Story 06 感謝することが大事

井上鷹選手

皆さんへメッセージをお願いします

サーフィンができていることの環境に感謝するってすごく大事で、その感謝を忘れたらどんなにすごい選手であっても続けていくのは困難なので、感謝は忘れないでがんばってほしいと思います。

つらいのはわかるし、ぼくも何回も辞めたいと思ったし、かなり追い詰められたこともあったんですが、やっぱりやってきてよかったし、これからもこの三刀流は武器になるし、三刀流は絶対に崩したくないですね。

PHOTO GALLERY

  • インタビュー内容は2026年7月の取材に基づいています。記事内容および所属は取材当時のものです。

Profile

三刀流プロサーファー井上鷹(25)

2000年生まれ。宮崎県出身。SUP・ロング・ショートサーフィンの「三刀流プロサーファー」として活動。サーフィンとの出会いをきっかけに「いじめ」を乗り越え、現在は国内外で活躍。SUPサーフィンでは世界チャンピオン、ロングでは世界2位の実力を持ち、現在ショートでの記録の樹立をめざしている。

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