ツヅク、ツナゲル プロジェクト - 芹澤美希香(パラ水泳)

パラ水泳 芹澤美希香 MIKIKA SERIZAWA

MIKIKA SERIZAWA パラ水泳 芹澤美希香 はまペン

障害の種類や程度に応じた
クラス分けによって
さまざまな選手が参加するパラ水泳。
国際的にも注目を集めている競技のひとつです。

今回は神奈川の小さなスイミングスクールから
大切なコーチや仲間の応援、支えを受けて
世界の舞台へと躍進を遂げた
芹澤美希香選手の
泳ぎ続ける理由に迫っていきます。

Challenging Story

Episode.1 挑戦し続ける理由 別ウィンドウが開きます

Episode.1 挑戦し続ける理由

Episode.2 Coming Soon

Interview

フルバージョン掲載中

Story 01 水の中では自由になれた

芹澤美希香選手

撮影協力:横浜国際プール

水泳をはじめた理由を教えてください

なんでだろう⋯。水に入ることが好きだったから小さい頃から続けてきたなって思います。水中に潜ったりするのも好きだし、水の中では体が自由になるっていうか⋯いろんな動きができるのですごい楽しいなって思います。家の近くのスポーツクラブに小学校1年生からはじめて高校3年生まで通っていました。

11年間も通い続けられたのはなぜ?

毎月、進級テストがあるので、合格して1番上のクラスに行きたかったというのが長く続けられた理由かなって思います。誰かと競っていたわけではなかったので⋯⋯そのテストの内容に合格できるように目指していました。受かればうれしいし、自信にもつながるし、楽しかったです。

芹澤選手にとって泳ぐ楽しさとは?

水の中はガヤガヤしていないっていうか...とても静かなので、自分の好きなように過ごせるっていうか、泳げるのがいいなって、そういうのが楽しいなって、思います。

試合に出たいと思うようになったのはいつ頃ですか?

全国障害者スポーツ大会に出るようになった頃だと思います。2016年の岩手国体がはじめて出た大会でした。先生に勧められて、予選会に出て、そこで選ばれて、その時は50m平泳ぎと、50m自由形に出場して、どちらもメダルを獲得することができました。全国障害者スポーツ大会をきっかけに、*稗田コーチと出会って『宮前ドルフィン』に入りました。

*稗田律子コーチ 障害者を対象にした『宮前ドルフィン』の代表

Story 02 コーチとの出会いが
あったからこそ

芹澤美希香選手と稗田律子コーチ

はじめて会った頃の印象を教えてください

稗田:最初来た時はほんと線が細くて、すごい「弱い」という感じでしたけど、泳ぐとやっぱり上手でしたね。関節が柔らかいので、水泳(平泳ぎ)にはいいかなとは思いましたね。今みたいに(世界大会に出る選手に)なるとは全く思ってなかったんですよ。でも努力の子だし負けん気も強いので、良かったかなと私は思っていますね。

世界で活躍する芹澤選手をどう思いますか?

うれしいですけど、やっぱり不安もあります。海外に行ってごはんはどうするんだろうとか、緊張するんじゃないか、体を壊すんじゃないかとか。試合が終わった後に電話をかけてくれたりするのが1番うれしいかもしれないですね。

芹澤選手にメッセージを

これからもぜひ、がんばってほしいです。本当はメダルが欲しいですけど、それじゃなくても全力で泳げば、絶対良いと思います。

Story 03 日本代表に
選ばれてからの変化

芹澤美希香選手

稗田コーチに平泳ぎを勧められてどうでしたか?

当時、平泳ぎは苦手でした(笑)。でもやってみようかなっていう⋯気持ちで、試合までのあいだに(タイムを)10秒くらい縮められたので、高校2年生の時に出た50m平泳ぎで、日本新記録を出すことができて、自分に平泳ぎが向いているなって思いました。

選手としての自覚が芽生えたのはいつ頃ですか?

高校3年生くらいにはじめて日本代表に選ばれてから、少しずつ出てきたかなって思います。気持ちがちょっと違ったかなって思います。日本代表に選ばれたってことは...やっぱり...日本の(パラ水泳の)上の方にいるってことなので、まわりの人に負けないように...泳ぐっていう気持ちがちょっとずつ出てきたかなって思います。

実際に世界の舞台はどうでしたか?

観客の人たちがものすごいたくさんいて。その歓声が、もう⋯本当に⋯ずっと響いているので、スタート台に立つだけで、ワクワクして楽しかったです。緊張よりもワクワクした気持ちの方が強かったです。

芹澤美希香選手

Story 04 ツラい時は
自分の好きなことをする

芹澤美希香選手

ツラいと感じる時はありますか?

タイムが止まりだすと、ツラいなって思う時が多いかと思います。泳いでいると、息も吸えないし、体もどんどん動かなくなってくるので、早く、ゴールしたいって思います。

どうやって乗り越えていますか?

自分の好きなことをするのも大切なのかなって。寝ることも好きだし、お菓子を食べることも好きだし、元気も出るから、やっぱりお菓子は心の栄養剤ですね。

Story 05 仲間がいたからこそ

芹澤美希香選手

芹澤選手が水泳を「ツヅケル」理由は?

世界にはまだまだ速い人がたくさんいるので、その人たちに勝つために今も続けています。

宮前ドルフィンの仲間について聞かせてください

やっぱり「宮前ドルフィン」のみんなと泳ぐのはとても楽しいし、みんな本当に優しい人たちばかりで、会ったらすごいおもしろいことをたくさん言ってくれるし、なんか⋯悩みごとがあったら聞いてくれてアドバイスしてくれる人もいるし⋯このチームに入れて本当に良かったです。

今後の目標について聞かせてください

目標は世界大会で金メダルを取ることです。(稗田コーチや宮前ドルフィンの仲間たちもそうですが、)いろんな人が助けてくれて、支えてくれているので、世界で活躍することが、恩返しになればいいなって思っています。

自分の記録を縮めるために、泳ぎ続けます。

PHOTO GALLERY

  • インタビュー内容は2025年9月の取材に基づいています。記事内容および所属は取材当時のものです。

Profile

パラ水泳芹澤美希香(25)

神奈川の宮前を拠点に世界で活躍するパラ水泳選手。小学1年生から水泳をはじめ、中学生から大会に参加。16歳で全国障害者スポーツ大会の横浜代表に抜擢された後、平泳ぎ・知的障害クラスの日本記録保持者として、世界中の大会に参加し、記録を更新し続けている。

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