2024.05.30

がんの3大治療 放射線治療ってなに?

監修
株式会社MILIZE
作成
2024年5月

がんは身近な病気です

現在、日本人の2人に1人が一生のうちにがんと診断されるといわれています。
がんは、すべての人にとって身近な病気ですが、治療の進歩や新たな治療法の登場により、適切な治療を受ければ治せる病気になりつつあります。
万一の際にそなえて、最先端の治療法について知っておきましょう。

[がんと診断される確率(生涯がん罹患リスク(%)、部位:全がん)]男性 65.5%(2人に1人) 女性 51.2%(2人に1人)
  • 出典先:国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」より横浜銀行作成

放射線治療とは?

がんの治療は、放射線治療、手術、薬物療法の大きく3つに分けられます。そのなかでも放射線治療は、手術のように臓器を取り除いたりすることなく、がん細胞に放射線をあて、がんにダメージを与える治療法です。レントゲン検査と同様に、放射線があたっても、痛みや熱を感じることはありません。単独でおこなわれることもありますが、手術や薬物療法と併用されることもあります。治療用放射線はさまざまな種類がありますが、近年進歩している放射線治療についてどんなものがあるか、費用はどのくらいかかるのか、3つの治療用放射線を例にみていきましょう。

①X線治療

放射線治療の中で、高いエネルギーのX線を照射する方法がもっとも多くおこなわれています。数回に分けて十分な放射線量を体の外から照射し、がん細胞を死滅させます。原則的に、標準医療として公的医療保険の適用範囲内でおこなわれますが、深いところにあるがんの治療が難しく、がん細胞の前後にある正常な組織も傷つけてしまうのが問題とされています。副作用を考えると放射線治療の加減が必要で、がんを治し切れるほどの量まで照射できない場合も多くあります。

傷病分類:脳腫瘍で放射線治療のみ受けた場合 平均総額医療費約60万円
  • 保険適用になる部位は自己負担割合に応じて上記金額の1~3割の自己負担
  • 出典先:国立がん研究センター中央病院 入院費概算一覧表より横浜銀行作成

②重粒子線・陽子線治療

がんを治す最先端の放射線治療が、重粒子線や陽子線を使った粒子線治療です。
X線治療と比較して、がん細胞により高い量の放射線を照射することができ、より高い治療効果を得ることができます。また、がん細胞に集中して照射することができるため、正常組織に照射される範囲も狭く、副作用も軽くなります。
公的医療保険の適用範囲も広がってきていますが、先進医療としておこなわれるものもあり、保険が適用されない部分の費用は自己負担になるため、医療費が高額になる場合があります。また治療ができる病院は限られており、2024年2月現在で26施設(重粒子線治療施設7、陽子線治療施設19)となっています。神奈川県内では、重粒子線治療については神奈川県立がんセンター、陽子線治療については湘南鎌倉総合病院で実施しています。

[先進医療の技術料]重粒子線治療 1件あたり約314万円 陽子線治療 1件あたり約266万円
  • 保険適用になる部位は自己負担割合に応じて上記金額の1~3割の自己負担
  • 出典先:厚生労働省127回先進医療会議資料【先進医療A】令和5年6月30日時点における先進医療に係る費用/令和5年度実績調査(令和4年7月1日~令和5年6月30日)より横浜銀行作成

③ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)

次世代のがん治療として研究開発が進められている中性子線を使った粒子線治療です。
正常組織にほとんど損傷を与えず、がん細胞を選択的に破壊することができます。通常の放射線治療をおこなった後でも治療可能であり、再発がんの治療にも効果が期待できます。
今後、重粒子線や陽子線では対応が困難ながんにも対応できる可能性があり、将来のがん治療を担う有望な治療法です。
現在、公的医療保険の適用対象疾患は切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部がんのみ(脳腫瘍は含まれません)となっており、保険が適用されない部分の費用は自己負担となります。粒子線治療同様、治療ができる病院は限られており、2024年1月現在で5施設となっています。神奈川県では実施可能な医療機関はまだありません。

[保険診療の適用となるBNCT治療の場合]治療費総額 約400万円~500万円
  • 保険適用になる部位は自己負担割合に応じて上記金額の1~3割の自己負担
  • 出典先:関西BNCT共同医療センター「BNCT関連のよくあるご質問」より横浜銀行作成

まとめ

がんの治療法もどんどん進歩しています。
医療費が高額になる場合もあり、万一の時は先進医療による治療も選択肢に入れられるよう、必要な保障を準備しておくことが大切です。
「自分じゃよく分からないな…」「どんな保障が必要なんだろう…」
横浜銀行では保険専門のスタッフがお客さまのそんな悩みを一緒に解消していきます。
ぜひお気軽に、はまぎん保険パーラーへご相談ください。