2023.11.08

外貨預金のメリット・デメリット、運用する際のポイントは?

監修
株式会社MILIZE
執筆
菊地学
作成
2023年11月

日本では長年、低金利の状態が続いており、定期預金に預け入れてもほとんど利息が付かない状況です。1,000万円を1年定期預金で運用しても、得られる利息は数百円程度です。
一方、海外では日本よりも高金利の国が多く、例えばここ数年アメリカでは金利が上昇傾向にあるため、日米の金利差が拡大して、歴史的な円安ドル高の状態が続いています。アメリカ以外でもイギリスやオーストラリアなども金利は上昇基調にあります。
こういった状況もあって外貨預金での運用に関心を持っている方は少なくないかと思います。一方で外貨預金での運用をしたことがなく、不安に感じている方もいらっしゃると思います。
そこで今回は初心者の方向けに外貨預金での運用について解説していきます。

※本記事はこんな方におすすめです。
・資産運用に興味がある方
・外貨預金での運用を検討している方
・外貨預金で運用する際のポイントを知りたい方

外貨預金とは?

外貨預金とは、日本円を「外国の通貨」に換えて預ける預金のことです。外国の通貨は米ドル、豪ドル、中国元などさまざまです。

外貨預金をおこなうメリットは、以下のとおりです。

  • 円預金より高金利での運用が期待できる
  • 為替差益を得られる可能性がある

日本では低金利の状態が続いていますので、高金利での運用が期待できるという点に魅力を感じて外貨預金を始める方も少なくありません。

為替差益とは為替レートの変動により生じた利益のことです。(逆に生じた損失を為替差損と言います。)例えば、1米ドル=130円の時に1,000米ドルを購入して、1米ドル=140円の時にこれを売却すると10円(=140円-130円)×1,000米ドル=10,000円の為替差益が得られます。

一方で外貨預金のデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 為替手数料がかかる
  • 預金保険制度の対象外である
  • 為替差損が発生する可能性がある

為替手数料は、円貨から外貨に、または外貨から円貨に交換する際にかかる手数料です。

預金保険制度とは、金融機関が預金保険料を預金保険機構に支払い、万が一、金融機関が破綻した場合に、一定額の預金等を保護するための保険制度です。外貨預金については保護対象外であり、破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われるため、一部カットされてしまう場合があります。ただし複数の金融機関に分散して預け入れることで、ある程度はリスクを抑えることができます。

為替差損が発生する可能性については、これから解説する3つのポイントを押さえて運用することで可能性を低減することができます。

外貨預金で運用する際の3つのポイント

ここからは外貨預金で運用を始める際に留意したいポイントについて解説していきます。

ポイント①通貨分散

投資の世界では「卵は一つのカゴに盛るな」という格言があります。

卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合には、全部の卵が割れてしまうかもしれませんが、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落としカゴの卵が割れて駄目になったとしても、他のカゴの卵は影響を受けずに済むという意味です。

この格言は外貨預金での運用をおこなう際にも当てはまります。

一つの通貨だけで運用している場合には、全体的な変動幅のブレは大きくなりますが、複数の通貨に分散しながら運用することで、変動幅のブレを抑えることが期待できます。

通貨の組み合わせについては、例えば米ドルとユーロのように値動きの異なる傾向のある通貨を組み合わせるとより効果的です。

ポイント②ドルコスト平均法

ドルコスト平均法とは、価格が変動する商品を常に一定の金額で、かつ時間を分散して定期的に買い続ける方法のことです。投資金額を一定にすることで、価格が低いときには購入量が多く、価格が高いときには購入量が少なくなり、購入単価を平準化することが期待できます。

外貨預金の場合、購入する通貨に対して円高になった場合には購入量が多くなり、円安になった場合には購入量が少なくなります。

ドルコスト平均法の例、円高の時は自動的に多く購入、円安の時は自動的に少なく購入し、購入単価が平準化されます

ドルコスト平均法による購入は、全体の購入単価を平準化させる効果があり、長期的な資産形成をおこなっていくうえで有効な方法のひとつであると考えられています。

ポイント③つみたて

金融機関によっては、外貨預金のつみたてをおこなうことができます。つみたては決まったタイミングに円普通預金口座から引き落としをおこない、外貨普通預金口座へ入金するという仕組みです。これによって手間なく、簡単に毎月外貨預金を積み立てていくことができます。また結果的にドルコスト平均法につながります。

つみたて金額の下限は金融機関によって異なりますが、少額からコツコツ始められるので、投資初心者の方に向いている手法であると言えます。つみたて金額の変更も可能なので、最初は少額から始めて、資金に余裕が出てきたら後で増額することも可能です。

まとめ

今回の記事では外貨預金のメリット・デメリット、運用する際のポイントについて解説してきました。

外貨預金は通貨分散・ドルコスト平均法・つみたてを組み合わせることで、為替リスクを低減させながら高金利で運用することができるため、運用初心者の方でも始めやすい投資であると言えます。

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