2024.06.13

住宅ローンの借り換えのメリットは?固定金利・変動金利などのタイプ別の借り換えタイミングを検証

監修
株式会社MILIZE
更新
2024年6月

住宅ローンは借入期間が長期にわたるため、低金利時代とはいえ利息負担総額は軽視できません。また、今後の金利動向によっては、利息負担が増える可能性もあります。
その利息負担を軽減する一つの方法に「借り換え」があります。今回は、住宅ローンの借り換えのメリットや注意点、基本的なポイントをお伝えします。

住宅ローン借り換えのメリット

返済額全体を減らせる

借り換えることにより、金利が下がれば利息負担が減りますので、住宅ローンの総返済額を減らすことができます。

月々の支払い負担も減らせる

借り換えにより金利を下げることができれば、ローンの支払い期間を変えない場合、その分月々の返済額を減らすことができます。毎月の支払い額が減りますので家計への負担も軽減できます。

返済期間を短くできる

借り換えによって利息負担を軽減させた後も月々の支払い額を変えない場合、返済期間を短くすることができます。月々の家計への負担は変わりませんが、当初の予定よりも早期に住宅ローンを完済できますので、その後の生活にゆとりが持てます。

固定金利への借り換えで金利上昇リスクへの対応ができる

超低金利と言われる時代が長く続いていましたが、日本銀行は2024年3月の金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決め、利上げをおこないました。依然として低金利の状況が続いているとはいえ、今後もこの情勢が続くとは限りません。

住宅ローンは、そのときの金利の情勢によって金利が変動する「変動金利型」と、ある一定期間もしくはすべての期間で金利が固定されている「固定金利型」があります。

金利が上昇すると変動金利型の場合、利息負担が増えますので、月々の返済額や完済までの総支払い額が増えることになります。変動金利型から固定金利型へ借り換えることにより、金利上昇リスクを回避することができます。この場合、変動金利型で借り続けたときよりも総支払い額を減らすことができる可能性があります。

団体信用生命保険などの保障内容を見直せる

住宅ローンを借りるためには、原則として団体信用生命保険(団信)への加入がセットされています(フラット35など例外もあります)。

団信は、ローン返済期間中に契約者に万一のことがあった場合、残りの住宅ローンを免除するための保険ですが、その保障内容もここ数年で選択肢が大きく増えました。かつて団信といえば死亡時と高度障害時にのみ保障されるケースが一般的でしたが、最近では、ガン保障や生活習慣病などの疾病保障特約付きの団信も数多く登場しています。

住宅ローンの借り換えのタイミングで団信に新たに加入しますので、その内容を充実させることも可能です。そうすることによって、団信とは別に加入している生命保険があれば、その保障内容をおさえることができますので、家計のスリム化につながります。

住宅ローン借り換えタイミングのポイント

一般的には返済期間が10年以上残っていて、残高が1,000万円以上、借り換え前後の金利差が1%以上であれば、借り換えによるメリットが生じる可能性が高いとされています。
ただし、これらの条件をすべて満たさなくても、借り換えのメリットが生じる場合もあります。

変動金利型から固定金利型への借り換え

将来金利が上がってしまうと、変動金利型の場合、月々の支払い額が増えることになります。変動金利型では、一般的に6か月ごとに金利が変動し、返済額は5年ごとに見直しされます。今後、金利が上昇すると考えるならば、金利が上がらないうちに固定金利型に借り換えると良いでしょう。

固定金利型の場合、契約時に取り決めた金利が継続しますので、市場の金利変動に関係なく、ローンの支払い額は変わりません。

ただし、同時期で比較した場合、通常は変動金利型よりも固定金利型のほうが金利は高くなります。また、将来金利が下がるもしくは横ばいで推移した場合は返済額が増えることになり、借り換え効果が得られません。

固定金利型から固定金利型への借り換え

現在、固定金利型ローンだったとしても、さらに金利が低い固定金利型ローンに借り換えられるならば、借り換えメリットを得られる可能性があります。固定金利で金利上昇リスクを回避しながら、支払い総額を減らすことができます。

今後、金利が上がるもしくは横ばいと推測されるならば、固定金利型から固定金利型への借り換えを検討する価値はあります。

固定金利型から変動金利型への借り換え

現在契約している固定金利型の金利よりも変動金利型の金利のほうが低い場合、借り換え効果が得られる可能性があります。通常は、同時期であるならば固定金利型の金利よりも変動金利型の金利のほうが低いので、借り換えた直後は月々の返済額は低くなります。ただし、借り換え後、金利が変動する可能性がありますので、最終的な支払総額が増えてしまう可能性があります。

この借り換えパターンの場合、固定金利と変動金利との金利差に大きな開きがあり、多少金利が上昇したとしても総支払い額が増えない場合や、ローンの残期間が短い場合に借り換えメリットを受けやすいパターンといえます。

なお、すべての借り換えパターンで、借り換えに伴い諸費用が発生するためそれを考慮したうえで、その可否を判断する必要があります。

まとめ

ここまで、いくつかの借り換えパターンをみてきました。とはいえ今後の金利の動向を見極め、ベストなタイミングでベストな借り換えパターンを選択するのは至難のわざです。
しかしながら、住宅ローンの返済は長期にわたるので、ちょっとした金利の差が家計を圧迫することになります。

まずは借り換えた場合にどの程度のメリットがあるのか、どのようなリスクがあるのかをシミュレーションするところから始めてはいかがでしょうか。
ご自身にとってのベストなタイミングとベストな借り換えパターンを探ってみましょう。

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