NISAで投資信託を選ぶポイントやメリットとは

本ページは、「かじ社会保険労務士事務所」監修による記事コンテンツです。

監修:かじ社会保険労務士事務所
作成日:2020年12月22日

NISA(ニーサ)で投資を始めるにあたり、「一般NISAとつみたてNISAのどちらがベター?」「どんな投資商品がある?」といった疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。せっかくNISAを始めるのであれば、一般の投資信託とNISAの違いや、NISAで投資信託を選ぶメリットやデメリットについてしっかりと押さえておきましょう。

そこで、この記事では、2つのNISAで投資できる商品の違いや、一般の投資信託とNISAの対象投資信託との相違点、NISAで投資信託を始めるメリットやデメリットについて解説します。また、投資信託を選ぶポイントやNISA口座の開設方法、売却に適したタイミングをご紹介します。

一般NISAとつみたてNISA 投資対象商品の比較

2020年時点でNISAには、日本在住の20歳以上を対象とする「NISA」と「つみたてNISA」、そして、0~19歳を対象とする「ジュニアNISA」の3種類があります。
ここでは、NISAとつみたてNISAについて、投資対象商品を比較してみます。

NISAの投資対象商品

一般的なNISAの投資対象商品には、次のものがあります(ただし横浜銀行では一部取り扱いのない商品もあります)。

つみたてNISAの投資対象商品

つみたてNISAの投資対象商品は、長期的な積立投資に適した商品として法令で定められた条件をクリアした投資信託です。

NISAと一般の投資信託の違い

次は、NISAと一般の投資信託(特定口座・一般口座)の違いを見ていきましょう。

課税に関する違い

最も大きな違いは、課税に関する違いです。特定口座や一般口座で生じた利益(配当金・分配金・譲渡益)には、20.315%(復興特別所得税を含む)の税金がかかります。しかし、NISAの投資信託で生じた利益は非課税です。

一般口座・特定口座 税率20.315% NISA口座/つみたてNISA口座/ジュニアNISA口座 税率0% ご参考 元本100万円を投資して、5年後に150万円になったとしたら、税金は 一般の場合:約10.2万円 NISAの場合:0円

上限額の違い

一般の投資信託口座の投資額に上限はありませんが、NISA口座には投資上限額(非課税投資枠)があります。2020年時点のNISA口座の非課税投資枠は、一般NISAが年間120万円、つみたてNISAは年間40万円までです。また、上限枠で未使用分があっても翌年以降に繰り越すことはできません。

売却の回数の違い

投資信託を売却できる回数も、NISAと一般の投資信託では異なります。特定口座や一般口座であれば何度でも購入・売買を繰り返すことが可能ですが、NISAは年間120万円の投資上限額があり、一度売却した分の投資枠を同じ年に再度利用することはできません。例えば、NISAで50万円の投資信託を購入して値上がり後売却したとしても、残りの投資枠は70万円しか利用できないことになります。NISA口座で投資信託を売却できる回数は、おのずと限られることになるでしょう。一般NISAの非課税期間は、投資した年から最長5年、つみたてNISAの場合は最長20年。非課税期間内で利益が出ているときに売却または解約すると非課税の恩恵が受けられます。

開設できる口座数の違い

開設できる口座数にも違いがあります。一般口座や特定口座は金融機関ごとに各口座を開設することが可能ですが、NISA口座はすべての金融機関で一人一口座しか開設できません。また、一般NISAとつみたてNISAのどちらかを選ぶ必要があります。

NISAで投資信託を選ぶメリットやリスクについて

ここでは、NISAで投資信託を選ぶメリットやリスクについてお話しします。

投資信託を選ぶメリット

まず、NISAで投資信託を選ぶメリットをご紹介します。

少額投資でNISAの枠を最大限に活用できる

投資信託は金融機関がお客さまから預かった資金を資産運用のプロへ委託して、まとめて株式や債券などに投資する金融商品です。投資信託は最低購入額が小さいものが多く買いやすいので、NISAの投資信託は投資初心者に適しているといえるでしょう。

専門家が運用を代行するので初心者でも投資を始めやすい

投資信託のお金を運用する人は、投資に関する高度な知識や技術を持つ運用の専門家です。運用に必要な情報収集や分析も代行してくれるため、初心者でも投資を始めやすいのが大きなメリットといえるでしょう。

分散投資でリスクヘッジできる

分散投資でリスクヘッジできる点も投資信託のメリットです。株式の売買のように一つの銘柄だけに投資すると、価格の変動による損失のリスクが大きくなります。しかし、投資信託は値動きが異なる複数の銘柄に分散して投資をおこなうため、そのリスクを軽減することが可能です。

投資しづらいテーマや地域にも投資できる

投資信託は、投資先の「地域の分散」で、投資しにくいテーマや地域にも投資できます。例えば、ハイリスク・ハイリターンな新興国株式でも、値動きが異なる地域の投資商品とセットであればリスクを分散しながら利益を得られます。

ただ、投資信託はメリットばかりではありません。リスクやデメリットもあるため、しっかりと内容を押さえておきましょう。

投資信託で考えられるリスクやデメリット

NISAで投資信託を購入した場合に考えられるリスクやデメリットには、次のものがあります。

損益通算ができない

NISA口座では、投資信託を含めたすべての投資対象商品において、損益通算(一般口座や特定口座の配当金や売却で得た利益や損失との相殺)ができません。

課税口座と損益通算ができません。損失を翌年以降に繰り越しすることができません。 特定口座の損益 +40万円 NISA口座の損益 -40万円 損益通算不可 課税対象の損益 +40万円

「分配型&累投コース」は非課税枠が消費される

一般NISAで毎月「分配型」かつ「累投コース」の投資信託を選ぶと、毎月分配金を再投資するたびに非課税枠を消費します。そのため、非課税枠上限近くまで投資信託を購入していると、分配金の再投資で非課税枠を超過する可能性があるでしょう。NISAでは非課税枠を超過して購入することができないため、超過した分は課税口座で投資することになります。

手数料がかかる

手数料がかかる点もデメリットの一つです。販売手数料が無料のノーロード・ファンドだったとしても、「信託報酬手数料」「信託財産保留額」などはかかります。手数料の金額は、NISAで購入可能な金融商品によって異なる点に注意が必要です。

商品数が多すぎて迷ってしまう

NISAの投資信託商品数は、非常にたくさんあります。そのため、初心者にとっては選択に迷ってしまうことがデメリットです。特に、一般NISAにはETFや新興国投資信託などハイリスク・ハイリターンな商品もあるため、商品の選定は慎重におこなう必要があります。

5年間の投資期間では短すぎる場合がある

一般NISAで投資信託を買う場合、5年の投資期間では短すぎる場合があります。例えば、長期投資に適した商品は安定性の高さで人気ですが、一般NISAは非課税期間の5年を超えたあとに発生した利益に課税され、非課税のメリットが薄れてしまいかねません。5年経過後に保有している投資信託を翌年の非課税投資枠に移すロールオーバーにより再度5年間投資することも可能ですが、もし、長期運用を考えているのであれば、非課税期間が最長20年のつみたてNISAが向いています。

以上のことを念頭に置きながら、NISAの種類や購入する商品を選ぶことも重要となるでしょう。

NISAの投資信託商品の選び方とおすすめ

ここからは、NISAにおける投資信託商品の選び方のポイントについて解説しつつ、実際に始める際の手順についてご紹介します。

投資信託選びのポイント

たくさんある投資信託から、どういった商品を選ぶとよいでしょうか。そこで、選び方のポイントをまとめてみました。

手数料の安さで選ぶ

できるだけコストをかけずに投資したい方は、手数料が安い投資信託を選ぶのがおすすめです。ただ、一般NISAの場合、投資信託の販売手数料は金融機関ごとに異なるので注意しましょう。つみたてNISAの場合はノーロードのため販売手数料はかかりません。

投資スタイルで選ぶ

ご自身の投資スタイルで選ぶのも一つの方法です。「投資の経験や知識がどの程度あるか」「安定性を選ぶかリターンの大きさを選ぶか」「少額でも定期的に利益を得たいか」「まとまった利益が欲しいか」などの判断基準を設けると、ご自身のニーズに合った商品を選びやすいでしょう。

好きなテーマで選ぶ

好きなテーマで選ぶ方法もあります。例えば、健康に関心がある場合は、「ヘルスケア関連の銘柄」、次世代技術に興味がある場合は「次世代技術関連銘柄」など、興味や関心がある分野の投資信託を選ぶことも可能です。

過去の実績で選ぶ

平均利回りを見て商品を選んでもいいでしょう。投資信託は長期で投資するほど利回りの良し悪しが利益に反映されます。そのため、つみたてNISAで商品を選ぶときは、各商品の平均利回りをチェックしてから選ぶといいでしょう。

運用方法で選ぶ

運用方法で選ぶ手段もあります。例えば、以下のような考えをもとに、商品を選ぶことも一つの方法です。

いずれの方法を選ぶにせよ、少額で短期間に非課税枠の恩恵を受けるには、手数料を安くして利益率を上げることが一番のポイントになります。

NISAにおすすめの投資信託と口座開設方法

次は、NISAにおすすめの投資信託を投資スタイル別に紹介します。

例えば、「積極的な投資」を望む場合は、国内の成長株式や新興国株式、投資信託の中でもアィティブ型ファンドなど、大きな収益が期待できる金融商品がおすすめです。しかし、投資元本を下回るリスクがあることも覚悟しなければなりません。

また「リスクを抑えた投資」を望む場合は、投資信託を毎月コツコツ積み立てる投資積立や、分散投資することでリスクを回避するバランス型の投資信託がおすすめです。

購入する投資商品が決まったらNISA口座を開設してみましょう。横浜銀行ではNISA口座を開設する方法が2つあります。

横浜銀行でNISA口座を開設する方法

(1)スマホで口座を開設する

スマホでNISA口座を開設する場合、窓口に足を運ぶ必要がありません。

開設の手順
  1. 1.
    本人確認書類を用意する
    本人確認書類(マイナンバーカードまたは、マイナンバー通知カードと運転免許証のいずれか)を用意します。
  2. 2.
    スマホで口座開設手続きをおこなう
    スマホで、横浜銀行ホームページにアクセスして「スマホで完結 投資信託口座開設申込サービス」画面を出し、「口座を開設する」ボタンから入力画面に進みます。入力画面にお客さま情報や暗証番号、確認パスワード、本人確認書類情報などを入力して開設手続きを完了すると、最短2営業日で口座開設完了メールまたは開設不可メールが届きます。

(2)銀行の窓口で口座を開設する

本人確認書類(原本)と印鑑(お届け印)などを窓口に持参し、振替用の銀行口座やNISA口座の開設手続きをおこないます。

以上の手続きをおこなうと、申し込みから2~3週間でNISA口座開設手続きが完了します。

NISAの投資信託を売却するタイミング

最後に、投資信託を売却するタイミングについても解説します。NISAやつみたてNISAには「売却してはいけない期間」がありません。そのため、好きなときにいつでも売却できます。しかし、非課税期間終了後は課税口座へ移管されます。その後保有している金融商品が値上がりした場合に売却すると、その利益に課税されるため、非課税期間内に売却したいところです。ここで、非課税期間を含めたNISAの概要を表にまとめたものをご紹介します。

NISA つみたてNISA
利用できる人 日本在住の20歳以上 日本在住の20歳以上
口座開設可能数 一人一口座
  • つみたてNISAとの併用不可
一人一口座
  • NISAとの併用不可
投資対象商品の種類 投資信託、上場株式、ワラント債など 投資信託
非課税投資枠 年間120万円 年間40万円
非課税期間 最長5年 最長20年
投資可能期間 ~2023年 ~2037年

非課税期間が長いつみたてNISAは、長期スパンで売却のタイミングをうかがえます。一方、NISAは非課税期間が短いため、ベストで売却できるタイミングを見極めることが必要です。そのことを踏まえたうえで、売却に適したタイミングは、目標や目標に近い株価や基準価額になったときです。
ご自身が「株価が〇円になったら売り時」と思うタイミングであれば、期待通りの売却益が得られるでしょう。

まとめ

NISAで対象となる投資商品の多くを占めているのが投資信託です。投資信託は、資産運用の専門家が株式や債券を運用する投資商品であり、初心者でも少額から投資を始められます。また、少額投資のメリットを活かして非課税枠をフル活用できる点もNISAの魅力です。しかし、「損益通算できない」「手数料がかかる」などのデメリットもあります。

NISAで非課税のメリットを活かしながら利益を得るには、ご自身に適した商品を選び適切なタイミングで売却することが大切です。NISAのメリットとデメリットをしっかりと理解したうで、非課税枠を上手に活用してみましょう。

監修者

加治 直樹(かじ・なおき)

  • 1級FP技能士
  • 社会保険労務士

銀行員を経てFPとして独立。銀行員時代は数多くの中小企業向けに決算書の財務から会社の問題点洗い出しなど、企業経営に関連する幅広い業務を請け負う。現在は、中小企業向けに経営コンサルや管理業務の支援をおこなう傍ら、企業・個人問わず金融・保険・住宅ローン等をテーマにした説明会などを開催し、講師・コンテンツ(説明会資料など)作りをおこなう。

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