【特集】年金受給時期、繰り下げ受給するとしたらどんな影響があるの?

提供:株式会社ZUU
作成日:2018年9月21日、更新日:2019年8月19日

(画像:PIXTA)

人生100年時代を迎える日本では、定年退職をしてもまだまだ元気に働ける、だから年金を受け取る時期を遅くしてもよいという考え方をする人もいるといいます。定年退職後も元気に働けるというだけではなく、年金を65歳よりも遅く受け取れる「繰り下げ受給」を選択すると、毎回受け取れる年金受給額が増えるためです。それでは、実際に定年退職後も再雇用で働く人や、年金の受け取り時期を遅くしている人はどれくらいいるのかを確認し、私たちは年金とどのように付き合っていくのがよいのかを考えてみましょう。

定年退職をしても働く人が増えている

内閣府がまとめた「令和元年版高齢社会白書」では高齢者就業率については「60〜64歳男性」では81.1%、「65〜69歳男性」では57.2%と公表しており、また10年前に比べて就業率も、「60~64歳」では11.6ポイント、「65~69歳」では10.4ポイントも上昇しています。

一方、同白書によれば60歳以上の高齢者に就労意欲(働きたいか)について質問したところ、就労を希望している人は「65歳くらいまで」「70歳くらいまで」と回答した人はそれぞれ13.5%、21.9%で、「75歳くらいまで」が11.4%、「80歳くらいまで」が4.4%、そして「働けるうちはいつまでも」と回答した人は42.0%と最も高い割合で、老後にも働く意欲のあるシニア層が多くいることが伺えます。

同白書の平成28年版によると、60歳定年企業においては、定年後に継続雇用された人は2015年の段階でも82.1%に上り、2012年と比べると8.4%も伸びています。また労働人口における65歳以上の比率も高くなっています。

総務省が2018年9月に発表した「統計からみた我が国の高齢者によると、労働人口に占める65歳以上の比率が2017年には男性31.8%、女性16.3%といずれも6年連続で上がっています。このように多くの高齢者が就労し、日本にとっても高齢者が貴重な労働力になっていることが分かります。

年金を70歳から受け取れるってどういうこと?

冒頭にお伝えしたとおり、老齢基礎年金を65歳以降に受け取り始めることを「繰り下げ受給」と呼びます。年金の受け取り開始時期を遅くすればするほど、年金受給額の増額率が高くなり、毎月の受取額は増えます。ただし、現行では70歳以降は倍額率に変動はありません。つまり、年金は70歳まで受け取り開始時期を遅らせることができるようになるという仕組みです。

また繰り下げ受給に対して、65歳より早く年金を受け取り始めることを「繰り上げ受給」と呼びます。繰り上げ受給は制度上、60歳から可能ですが受給時期が早まれば早まるほど減額率が高くなります。

厚生労働省年金局が公表している「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、老齢年金の繰り上げ・繰り下げ受給状況の推移が紹介されています。2016年度に新規に年金受給を開始した人のうち、繰り下げ受給を選択した人の割合は全体の2.7%、繰り上げ受給は全体の9.2%という結果です。

繰り下げ受給の方が比率は低いものの、繰り下げ受給を選択している人の割合は2012年度の1.2%から毎年伸びており、一方で繰り上げ受給は2012年の18.5%から毎年減少しています。

年金の繰り下げ受給のメリットとデメリット

年金を繰り下げ受給した場合、受給額が生涯にわたって増額されます。このことが繰り下げ受給を選択する最大のメリットと言えるでしょう。1941年4月2日以降に生まれた人の場合、70歳から受け取ったときの増額率は42.0%となり、65歳から年金を受け取り始めるより1.42倍の年金を生涯受け取ることができます。この仕組みは、長く生きれば生きるほど受給者にとって恩恵が大きいと言えるでしょう。

一方で繰り下げ受給にはデメリットがないわけではありません。例えば、70歳から年金を受け取ろうと考えていた人が70歳より早く亡くなった場合、年金は受け取らずに生涯を終えることになります。70歳から受け取った場合でもその後数年で亡くなった場合は、65歳から受給していたほうがトータルの受給額が大きくなる場合もあります。

人生100年時代を迎える今、きたる老後にどう備える?

それでは、人生100年時代を迎える今、老後に対してどのような備えが必要になるのかを考えてみましょう。

まず、趣味などの生きがいを持つのはいかがでしょうか。現役時代よりも毎日コミュニケーションを取る人数が減りがちになりますが、趣味などの生きがいを持つことによって明るい毎日が過ごせるかもしれません。

加えて、無理のない範囲でストレッチをする、ラジオ体操をする、歩くなど体を動かす、食事に気をつけるといった健康維持によって、健康寿命をのばし健やかな毎日が過ごせるはずです。

そして、必要な老後資金を整理し、財産寿命を試算しましょう。その試算によっては現役時代から備えることや今からでも取り組めることがあるかもしれません。

「生きがい」「健康」「お金」の3つがそろえば、さらに素敵なセカンドライフに!この機会にちょっと将来のことを考えてみませんか。

本ページ掲載の情報は作成日時点で株式会社ZUUが執筆したものであり、現時点において最新の情報でない場合がありますので、あらかじめご了承ください。

このページをシェア