EPISODE 18

山猿の記

荻田准三

2020.10.01 UPDATE

「銀行には大変お世話になった。数多くの感謝があるが、その最たるものは、気の置けない多くの仲間を得られたことだろう」。

この一文は10年前、『行友会(銀行のOB組織)』の60周年に際し、機関誌に投稿した文の出だしである。現在も縁あって行友会の副会長4年目。現役時代、出向期間を含め、浜銀とは50年の付き合い。思い起こすことは数知れずあるが、それは他の人に任せて、荻田らしくここは『山』の話をさせて頂こうと思う。

私、荻田が主宰する『山岳会』は月2回の定例山行と月1回のタウンミーティング(飲み会)から成り立っており、2019年まで21年間欠かすことなく催行されてきたが、新型コロナウイルスの影響で、本来8月までに行われるはずの16回の山行と8回のミーティングは、山行はわずか7回、ミーティングは2月以来開かれずじまいとなっている。しかしそれでもこれだけ続けていれば、必然的に日本百名山の完登者は出てくるもので、荻田を第1号として、すでに5人が完登しており、いずれも浜銀の仲間たちである。ただ、我々山岳会は百名山のみを目指すものではなく、春は陽気に誘われ花を求めてハイキング、夏は北アルプスの縦走や、涼を求めて沢を歩き、秋は紅葉を愛で、冬には低山の陽だまりハイクや雪山に親しむといった風に、四季折々自然に親しんできた。こういった活動が現役時代も今も明日への活力の源となっているのだ。

また、もう一つ付け加えると、山行の度に紀行文を書き、年に1冊まとめた小冊子はついに18冊となった。また、メンバーの撮影した写真に音楽とナレーションを入れたDVD作りも270作品となっている。いつの日か、山に登れなくなった時、これらの冊子やDVDを懐かしく読んだり、見たりするのであろうか。

さて、コロナでシュリンクしている我が山岳会ではあるが、山は開放空間であり、およそコロナとは縁遠い存在。涼しくなったら再開しようと思う。メンバーの出入りこそあったが、現在も活動している22名のコアメンバーのためにも!

写真は表銀座から東鎌尾根を詰めて槍ヶ岳へ

閉じる